一宮平成ホタルの会

一宮とホタルの関係

広がるホタルの輪

ホタルが広げる地域環境づくりの輪
「一宮平成ホタルの会」が育ててきたホタルが、地域の自然を大切にと活動される方々、環境保全の大切さを学ぶ子供たちの手によって大切に育てられています。ホタルの飼育をとおしてホタルが生息できる環境に作りに尽力される皆さんの熱い活動報告です。

青木川でホタルを育てて4年目・・・やっと今年は観られるホタルに・・・

青木川ホタル育て隊 飼育担当 佐藤 靖郎

4月8日、冬眠を終えた第四世の幼虫 3,500匹を隊員とその家族で、4月12日には、千秋保育園の園児 110人により、庭の池と川、田圃の水路に放流しました。
 そして5月末には、成虫が光り飛び始め、6月初めから近隣の皆様に、幻想的な光で優雅に飛ぶ姿を楽しんでもらうことができました。
 今年は、4年間の試行錯誤の苦労の成果が現れ、飼育小屋では、昨年の倍、庭でもたくさんののホタルが舞い、見学者はもちろんですが、むしろ飼育に苦労した隊員の皆さんが、たくさんの妖艶な光に驚き、感動を味わいました。  また、近くの老人施設2ヶ所にも30匹のホタルを持ち込み、お年寄りの皆さんに喜んでもらいました。  しかし、田圃の水路や庭の池や川には、昨年より多く幼虫を放流したにもかかわらず、期待したホタルの乱舞を見ることができまませんでした。
 これの原因として、4月、5月の寒気団の襲来、6月初めの肌寒い夜など、寒暖の異常が影響していると考えられ、また、放流場所の水質や土壌の変化、ホタルの幼虫をエサにするザリガニやジャンボタニシの繁殖も、大きく影響をしているのではないかと考えています。
 第5世の幼虫は、昨年より多く生育していると思われ、来年を楽しみにしています。このホタルを守るために、生育環境の手直し等の試行錯誤、ザリガニ、ジャンボタニシ退治等、自然と折り合いをつける格闘が続きます。


2007.4.8 隊員の放流

2007.4.12 千秋保育園児の放流
会報第9号(平成19年10月発行)より

光に魅せられて

よもぎ野 景井 厚

 よもぎ野も今年で早いもので3年目を向かえることになり、より多くの方に観ていただき嬉しく思います。そしてより多くホタルが光輝いてくれたことに感謝しています。
 6月1日より6月17日までの2週間ホタル観賞会を催しました。よもぎ野(写真左下)のトンボ池あたりで10~15匹程度の光、そして奥の木橋(写真右下)まで進むと皆立ち止まり、口々に「これはすごい」「わーきれい」「すごい・すごい」などといろんな言葉を発して帰えられました。ホタル池では随時1000匹から1500匹のホタルが天の川のように光輝いていたからです。この光がひとりひとりに感動の言葉を生み出させたのでしょう。そして何人の人がこの言葉の意味を意識されたでしょうか・・・・この美しさ、きれいさは見るだけでは失われていきます。この美しさ、きれいさを守り、広め、そして自然の大切さを感じ取っていただければ幸いです。ホタルのような小さな生き物たちは敏感で、思いやりや優しさがあれば自然は回復し、また小動物の数も増え、その反対であれば絶滅し、本物の感動は二度と味わう事は出来ないでしょう。何をすれば環境を守れるのかの原点に戻れるいい機会でもあり、本来のよもぎ野の意義でもあります。
 もう一つの光は幼虫の光です。この光は宝石のように幻想的で、言葉では表現できないほどの美しさです。これが私だけの楽しみでもあります。上陸セットから産卵箱へ成虫を毎夜移し、そして卵から幼虫へと生命の第一歩が始まるのです。日時が経てば経つほど美しさが増し、元気かと「とんとん」と発泡スチロールの端を小さくたたくと、一斉にポッ・ポッと丸く滑らかな光が小宇宙のように光輝きます。そして「元気にしているよ」と答えているかのようでもあります。この光を観られることが私のエネルギーの源かもしれません。・・・・


よもぎ野全景
(手前トンボ池、奥ホタル池)

ホタル池
(手前が木橋)
会報第9号(平成19年10月発行)より

自然の中で舞うホタルをめざして

奇数土曜班 丹羽 三五

 かつて信長が城を築いた小牧山の西を巾下川が流れる。その西を流れるのが境川。50年程前、小学校へ通うのにこの二つの川を越えた。
 小学校四年生のとき、野外授業で、すぐ近くの境川へ先生に伴られて来た。川遊びをしたり、歌をうたったりした。確か"若いおまわりさん"を歌ったのではないか。

 私は、今年の3月で定年を迎え、散歩を日課にするようになった。散歩の途中、思い出の境川のその場所へ下り立ち、川の中をのぞいた。なんと、そこにはシジミがいるではないか。

 4年前、ホタルの会から里子として我が家に来た30匹の幼虫は、ホタルの会で学んだように育てたら、今年で約300匹になった。
 近所の人や知り合い、子供会に呼びかけ、「観賞会」を開くと共に、境川へ幼虫を放流することにした。
 境川には大きな鯉が沢山いるので、鯉が入って来にくい、幼虫が上陸しやすい、浅瀬の流れが緩やかなところを選んで、6月の初めにタニシと共に、50匹程放流した。
 6月中頃に開いた「観賞会」には、約80名の人に来てもらった。アミカゴ(1m×1m×1.8m)の中で舞うホタルを喰い入るように見つめている人、初めて見た子、久しぶりに見たという人、喜んでいただいた。
 境川には時々出掛け、ホタルが飛んでいないかと確認しているが、残念ながら7月31日現在未確認である。

 今後は、「観賞会」に来ていただいた人に、ホタルを育てる仲間になってもらって、数を増やし、ホタルが昔のように自然の中で舞う姿を夢見て、引き続きガンバッテ行きたいと思っている。


旧国道155号線から境川上流を望む

会報第8号(平成18年10月発行)より

活動報告

萬葉公園ほたるの会 会長 加藤 正典

 今年3月末に、萬葉公園築込地内に、ホタル等が生息出来る公園が完成し(名称:萬葉公園築込自然園)、地元でホタル飼育の為のボランティア組織「萬葉公園ほたるの会」を発足し飼育活動を始めました。
 現在会員数は20名(別に子供会会員19名)で、全員が未経験の素人集団ですが、顧問の先生方のご指導のもとに毎日活動を続けております。

 4月初めから自然園の朝夕の散水を継続し始め、4月16日には「一宮平成ホタルの会」のご協力のもとに、幼虫約1,100匹の譲渡を受け、当日に570匹を上陸セット4箱に分けて飼育を開始し、残りを子供会会員の手で自然園の池に放流致しました。

 6月初めに、自然園の池の周辺で最初の成虫の飛行を確認後、日毎に多くなり、我々会員もその幻想的な光の点滅を見て感動し、又勇気付けられました。そして6月11日の萬葉公園顕彰会主催による「ホタル観賞の夕べ」も、近隣の方々数百人の参集が有り、お陰様で大成功に終わりました。
 又、飼育箱の幼虫570匹の内、388匹(雄207匹、雌181匹)が羽化しました。羽化率約70%で、素人集団の1年目の成果としては上出来と自画自賛しております。

 その後、産卵も終り非常に沢山の幼虫が生まれ、現在では大きな物は体長約10mm前後に成長しております。しかし好事魔多しの例えのごとく、8月20日には大きい幼虫が多数死んでいるのが発見されました。原因は飼育箱の水温が高い(30℃以上)為との前橋先生のご指摘が有り、あと1週間発見が遅ければ全滅していたとの事で、非常にショックを受けて、生き物の飼育の怖さを再認識致しました。
 幸いにも、まだ小さい幼虫が多数生き残っており、今後は会員一同更に気を引締めて飼育活動を続けて行きたいと思っております。


4月16日の子供会会員による幼虫の放流


自然園完成時

現在
会報第8号(平成18年10月発行)より

青木川ホタル3世の舞に感動

青木川ホタル育て隊 飼育担当 佐藤 靖郎

 青木川ホタルも3世となり、今年は一段と楽しませてくれました。
 4月初めから順次、庭の池と川、放流水路、飼育小屋に放流した約3,000匹の幼虫が、成虫となり、見事に光り舞ってくれました。
 今年は、春先から梅雨にかけて不順な天候で、成育が心配でしたが、その不安も消し飛び、昨年にも増してたくさんのホタルの舞を楽しむことができました。

 今年の3世の飼育では、幼虫の成長に水温の管理が大変重要であることを学びました。
青木川ホタルは、井戸水を汲み上げて育てています。汲み出し水温は夏冷たくて、冬は温かく、年間で通し16~17℃です。我らの大師匠、前橋先生によれば、幼虫の活動が元気になるのは15℃を越えてから、上陸は20℃以上になってから、冬眠は10℃以下で、冬眠しない幼虫は上陸せず成虫にならない、等々でした。
 ホタルは、自然の生き物であり、夏は暑く、冬は寒くなければいけません。そのため水温調整をする貯水タンクを設け、井戸水の水量を調整して試行錯誤を繰り返しました。

 天候不順が原因と思われますが、今年は例年に比べ約1週間遅れで、ホタルの飛翔も6月15日頃には最盛期となりました。
 観賞会には保育園、幼稚園の園児はじめ、近隣の方々が予想以上に大勢見に来てくれました。また、今年も地元の老人介護施設2ヶ所に持ち込みました。そして「ホタル見物に遠くまで行っていたけれど、地元でこんなに身近に見られるなんてすばらしい。」と、ほめていただきました。隊員からは「頑張り甲斐があった。やりがいもあった。来年が楽しみだ。」と喜びや感激の声を聞いています。

 青木川ホタルも4世の幼虫となり、元気に成長し、動き回っています。来年は、もっとたくさんのホタルを庭の池と川・田圃の水路・飼育小屋の中で乱舞させたいと願っています。そして、初心の「ホタルの光りが、青木川の上流や下流にまで広がること」を夢見て・・・。

<観賞期間 6/10(土)~25(日)>
・観賞に来ていただいた皆さん   延べ1,000名以上(多すぎて数えきれなかった)
・観賞の案内をしていただいた隊員 延べ150名以上


保育園児による幼虫の放流 2006.4.20

鑑賞会を楽しむ親子 2006.6.12
会報第8号(平成18年10月発行)より

ありがとう御座いました

よもぎ野 景井 厚

 この場をお借りしまして私共の会の名の変更をお知らせします。以前の会より少人数での活動及び地域密着を念頭に活動したいと思い、この地域の地名にちなんで蓬来(よもぎ)に「野」加えて「よもぎ野」で新たに出発してまいります。

 私たちの会も今年で2年目を迎えて、いろいろな経験をさせていただきました。中でも幼虫の選別及び数の確認、1匹でも無駄には出来ない気持ちが強く現れて、1ケースで3時間も費やすこともしばしばあり、1匹の命の重み、1匹の光の美しさを心に刻んで作業に取り掛かって参りました。その甲斐あって2年目は1700匹近くが飛びかいました。

 そして会の目的でもあった地域のお年寄りや学区の子供たちをはじめ、地域の方々を招いてのホタル鑑賞を2週間余り行いました。その中でのお年寄りの「30年ぶり60年ぶりに見せていただいた。とてもきれいだった。本当にありがとう御座いました。」の言葉がとても印象的でした。あるご婦人は「今日で5回目なのよ・・・」また、ある子供は○○小学校何年何組○○です。質問があります。ホタルはどうして光るのですか・・・・ホタルの寿命は・・・オス・メスの区別は・・・などなど目を輝かせて矢継ぎ早に質問が飛び、こちらがたじたじになる場面になりました。そして最後に帽子を取って「ありがとう御座いました。」と大きな声であいさつをし、帰っていきました。1年間の苦労が一瞬にして吹っ飛んだような気持ちになりました。大勢の方に観にきていただき感動と懐かしさを提供できただけでもホタルの会に入ってよかったと思います。そして一人一人が自然への思いやりの大切さを学んでいただいたように感じてなりません。

 最後に「ありがとう御座いました。」の言葉に感謝し来年へ向けチャレンジを開始していきたいと思います。

会報第8号(平成18年10月発行)より

浅井町河端子供会「ホタルの夕べ」の開催

木曜日班長 長谷川 忠次

浅井町河端子供会の「ホタルの夕べ」を観賞した小学生の皆さんから感想文をいただきました。ホタルに感動し、自然の大切さに気付いてもらい、その輪が広がれば、と思います。

浅井町河端子供会「ホタルの夕べ」
日時2005年 6月19日(日)
場所浅井町 河端公民館
参加人員150名

子供たちの感想文から

「ホタルを見て」 二年 飛田悠希

ぼくは、ホタルを見るのは、はじめてです。 ホタルの光りがとてもきれいでした。どうやって光りを出すのだろう。ぼくは、ふしぎにおもいました。でも、まっくらな夜でも、なかまを見つけられるように光っているということが、わかりました。 

きっと、光りを出すのには、すごいパワーがいるのではないかとぼくは、思います。ぼくも、ホタルにまけないように光りたいです。また、らい年も見にいきたいです。


「ほたるの会感想文」 田中 李佳

ほたるが、とてもきれいでした。
わたしは、あんなにちかくでみたことが、ありませんでした!
とくに、げんじボタルがきれいでした。

色は、黄色と黄緑色以外にも、色はありますか?あったらおしえてください。
またいろんなこと教えてください。わたしはホタルをさわったことがありませんでした。さわってみてくすぐったかったです。

またみしてください。ありがとうございました。


「ほたるの会感想文」 渡部里奈

ほたるが、とてもきれいでした。
ホタルは、どこらへんで、よくみられますか?一番きれいに光るホタルは、どういうホタルですか?光る色は、黄色や黄緑色以外にも、あるんですか?
教えて下さい。

来年もぜひ、『ほたるの会』を、かいさいして下さい。楽しみにしています。 わたしは、ホタルを見たことがあんまりないので、きちょうな時間でした。 しかも、近くでみたことがないので、すごかったです。

最後には、さわらせてもらい、とてもすごかったです。 ありがとうございました!


「ホタルの会」に出席して  四年 尾関 陽多

ぼくは、初めてこのホタルの会に参加しました。 まず、二階の部屋でビデオを見ましたが、早く下でホタルが見たくて頭にはいりませんでした。一階におりて、ちょっと順番を待ってようやく入れました。

まっ暗な部屋にピカピカと現れたホタルは、とてもきれいで、はく力があり、ずっとみていても、あきませんでした。友だちがだれも来ていませんでしたが、来年は、かれらをさそって、また来たいと思いました。

ほんとうに、ありがとうございました。


「ホタルの鑑賞会 河端子ども会」 田中 朝登

わたしは、はじめて、ホタルの神秘と言うものを目にしました。そして、近くで見ていると、「ホタルはふしぎだなー」と思えてきました。 私はホタルの知識は、あまりありませんが、じっくり見ていると、なんかわかってきたような気がします。

そして、ホタルは、どのようにして育つのか、すこし、興味がわいてきました。なんかホタルを見てると感動してたまりませんでした。その時、ホタルがこんなキレイなら、さなぎも、幼虫も、このホタルのようにかがやいているのかなーと思いました。

が!、さなぎと成虫まではよしとしても、幼虫は、とても気持悪かったです。
でも、ホタルを思いだすと、そんなことはふっとばされたようで、それくらいキレイだったのです。

この、子供会の行事で、一番の思い出になりました。次、また成長した、ホタルを見るのをたのしみにしています。


「ホタルを見て」 六年 飛田 ひかり

私は、ホタルを見たのは3回目でしたが、今回が一番良かったです。
なぜなら、テントの中に放したホタルは、とてもキレイだったからです。
よくを言えば、ホタルをさわって見てみたかったです。

ホタルの命は短いけれど、一生懸命生きている姿に感動しました。
もっと町をきれいにして、ホタルがすみやすい環境にしたいです。
今回、ホタルを見せてくれたおじさん、ありがとう。
来年もよろしくお願いします。

各務原市立稲羽西小学校

稲西小のホタル 各務原市立稲羽西小学校 教諭 岩井 秀行

一宮平成ホタルの会より200匹余りの幼虫をいただき1年半が過ぎました。日置須務さんにご指導をいただきながら大切に大切に世話をして、本校ビオトープにもホタルを飛ばすことができました。ありがとうございました。

5月下旬から6月にかけて3週間ほど、一晩に5~10匹のホタルを確認しました。毎晩、たくさんの子ども達や地域の方々にホタルを観賞していただき、感動を分かち合うことができました。心より感謝しています。

本年度も、4年生の子たちと一緒にホタルの赤ちゃんを育てています。今後もご助言とご支援をよろしくお願いします。

寄稿:2005.07.20

青木川ホタル育て隊

青木川の河畔にホタル舞う

「青木川ホタル育て隊」会長 京極 芳之

 5月28日青木川河畔の手作りした池に、一匹のホタルを初めて確認し、それから7月末日までは、毎日数匹が舞う姿を見ることができ、会員とその家族も感激し、喜んでいます。「一宮平成ホタルの会」のご好意でお輿入れした幼虫を4月29日池や飼育小屋に放流し、飼育小屋の中では5月24日から飛び始めていましたが、昔のことを知っている世代には、青木川の河畔でホタルを見るのは、何とも言えない感動でした。

私達は、ホタルを飼育するに当たり、次のことを決めました。
1.ホタルを増殖する。そして町内の皆さんに自由に観賞してもらう。
さらに青木川の上/下流域に生息、観賞出来る場所を拡大する。
2.飼育、放流場所は業者や機械任せにしない。あくまでも手作りにこだわる。

自由な観賞と生息場所の拡大は、次の目標ですが、手作りは会員の知恵と努力で見事実現しました。
池も川も全て手で掘り、土手も苦労しながら石を積み、水の流れを作りました。一番の難関は井戸でした。昔の道具を倉庫の奥から借受け、動力なしで3ヶ月の間、土日曜に交代でヨイショヨイショとロープを引き、鉄管を4.5m打ち込み、手押しポンプで砂抜きをして、幼虫の放流にギリギリ間に合わせることができました。

ところが、ホタルが一番盛んに飛んでいる頃、井戸の水が止まり、井戸の周りが大きく陥没してしまいました。 せっかくお輿入れしてくれた貴重な幼虫を、死なせてはいけないとの思いで、動力は使いましたが、1ヶ月間毎日交代で、掘り直しのロープを引き8.5m打ち込みました。そして、8月初めにやっと井戸水が使えるようになり、そのおかげもあってか、チラチラではありますが、お盆までホタルは飛んでくれました。

「一宮平成ホタルの会」の皆さんが経験された色々な知恵を青木川で活かしながら、飼育に取組んでいます。 その成果として、今は5,000匹の幼虫が生まれ育ってくれることを願っています。来年はもっともっとたくさんのホタルが舞うことを会員一同夢見ています。

「一宮平成ホタルの会」の皆さん、幼虫をありがとうございました。<敬礼> 

一宮市立浅井北小学校

「ホタルとともに」一宮市浅井北小学校 教諭 太田 崇

 「ホタルの舞う姿を見てみたい!」これが浅井北小学校にホタル池ができた二年前の素直な気持ちです。

昨年度、5年生の担任をさせていただき、一年間ホタルと向き合ってきました。当時の6年生が、「一宮平成ホタルの会」からいただいたホタルを大切に育て、4月には数百匹のホタルを放流しました。その時、一年後に千匹のホタルの放流をしようという目標ができました。

成虫を産卵セットに入れ、生まれたホタルの幼虫は約二千匹。児童らとともに大切に育てました。 秋になると、一センチメートルほどに大きく育った幼虫がなぜか次々に死んでいきました。今も原因はわかっていません。ホタルは意外に弱い生き物だと感じさせられました。

秋も終わるころ、ホタルのエサになるタニシやカワニナがいなくなりました。ホタル池のタニシを採ってその場をしのいでいましたが、ホタル池のタニシもなかなか見つからなくなりました。浅井北小学校の周辺には、ホタルの幼虫を食べてしまうジャンボタニシがほとんどだそうで、遠くにタニシやカワニナを採りに行きました。

自分が小さいころは、タニシの他にもオタマジャクシやゲンゴロウなどがいたるところで見られました。
児童の調べによると、浅井北小学校の周辺でも数十年前にはホタルがたくさん見られたそうです。ホタルがいなくなった原因は、環境が大きく変わったからだと容易に想像できます。いろいろな生き物にとって、環境は確実に悪化したといえるでしょう。

冬を越せたホタルは千匹もいませんでした。それでもホタル放流会には七百匹ほどのホタルをホタル池に放流できました。ホタル鑑賞会ではたくさんのホタルがあちらこちらで美しく光り、時折舞い上がっては風のように漂っていました。短い命の間に懸命に光るその姿は、ただ美しいだけでなく、何かを訴えているようでした。

本年度も5年生の担任となり、ホタルとのつき合いも二年目となりました。昨年度、教師が手を出しすぎた気がします。本年度は思い切って児童に任せてみようと考えています。自分たちで育てたホタルは、よりいっそう愛着が増すとともに、いろいろなことを教えてくれると思います。

来年の春にたくさんのホタルが舞う姿を夢見て、児童はがんばってくれると期待をしています。ホタルと向き合って一年半。ホタルの舞う姿は、浅井北小学校やその周辺の地域をよりよい環境に変えていくシンボルのような気がします。

ホタルが自然に育ち、自然の中で光り輝くようになった時、この地域は美しい自然と人間が共存する最高の環境が整ったと言えるでしょう。そんな日が近い将来、来ることを強く願っています。

ホタルとともに、広がれ!!

丹羽ホタルの会

丹羽ホタルの会  会長 林 文夫 事務局 中村 薫

1.会員 一宮市丹羽地区在住(丹羽、小原町、西小原町)14名

2.発会の主旨  平成13年度町内役員の折に、昔は、公民横の大江川、村境の旧日光川に、源氏ボタルが時期になると乱舞していて、感激していたのを、子ども達に、見せることは出来ないだろうか、ということで発会しました。

3.丹羽ホタルの会の特色 会員宅数箇所に分散して飼育しているため、生育環境等の不良が発生しても成育に打撃を受けないシステム

4.会の足跡
H14.3. 平成ホタルの会飼育場見学 極楽寺野鳥園内
H14.3. 発会 丹羽地内においてタニシ採集 1430匹
平成ホタルの会 より幼虫を譲り受け7戸にて分散飼育開始

H14.6.8 第1回 丹羽ホタルの会鑑賞会 丹羽公民館
ヘイケボタル、ゲンジボタル、カワニナ、タニシ 展示
幼虫のホタル 7戸にて羽化成功

H15.6.21 第2回 丹羽ホタルの会鑑賞会 丹羽公民館
ヘイケボタル、ゲンジボタル、カワニナ、タニシ 展示
前年孵化のホタル 5戸にて羽化成功

H16.7.17 第3回 丹羽ホタルの会鑑賞会 丹羽公民館
ヘイケボタル、タニシ 展示
前年の幼虫、サナギ、成虫、今年生まれた幼虫を飼育ケースにて展示
前年孵化のホタル 2戸にて羽化成功

H16.7.17 現在 前年孵化のホタルの幼虫 約2500匹

各務原市立稲羽西小学校

「稲西小のホタル」各務原市立稲羽西小学校 四年担任 岩井秀行

昨年、PTA 、地域の多くの人々の協力で、ビオトープが完成しました。

ここに少しずつですが、三十年前の自然を再現し、いなくなった生き物を復活させています。 三十年前には、この地域にも小川があり、たくさんの魚が泳ぎ、ホタルが舞っていました。日のある内は魚を捕り、日が暮れるとホタルを追った子供の頃が思い出されます。

現在、ビオトープの小川と池には、たくさんお魚が泳ぎ、子ども達や地域の人の憩いの場となっていますが、ここに平家ボタルを復活させ、より魅力的な場にするため、自然のしくみを学ぶため、ホタルの棲める環境整備を進めると共にホタルの飼育をしています。

ビオトープ作りでご指導をいただいているNPO法人トンボと水辺環境研究所代表の川口邦彦さんの紹介で、一宮平成ホタルの会の日置須務さんに来ていただき、平家ボタルの飼育を始めました。「一宮平成ホタルの会」から、二百匹の幼虫をいただき、四年生の子ども達が毎日、世話としています。

羽化させることが出来たのは、わずかに二十数匹で少し残念でしたが、平家ボタルの愛らしい姿と輝きには感動しました。赤ちゃんも無事産まれ、スクスクと成長し、八月上旬で五十匹ほどが十二~十五ミリまで大きくなり喜んでいます。

八月現在、ビオトープには、PTAの人と一緒に採ってきて放流したタニシが定着しました。しかしマユ床となる柔らかい土やアシ・笹などの茂みの整備は、これからです。ホタルが羽化しない時、産卵が確認できない時、水温が上がって困った時、SOSを発する私どものためにわざわざ学校まで来て、励まし助言してくださった日置さんに心より感謝しています。

来年の夏にはまた、ホタルの美しい輝きが見られるようこれからもがんばります。