一宮平成ホタルの会

平成22年 会報第12号

--目次--

◇巻頭言
出会いは貴重な財産
会長 日置 須務
「平成ホタル川」への放流
顧問 前橋 利典
◇特集「里親」
里親活動の目的と今後の展望
事務局長 加藤 重明
「里親制度」6年を経過して
木曜日班 長谷川 忠治
「138タワーの飛翔」を夢見て奮闘中
副会長 渡邉 秀雄 ...取材/手嶋 雅春
整然と整理され、一言でビックリ
土曜日奇数班 伊藤 勝英 ...取材/丸井 邦春
「里親魂1匹1匹を大切に!」
水曜日班 浜元 郁雄 ...取材/伊藤 真志
たっぷりの愛情をうけてすくすく育つ幼虫たち
副会長 船橋 信子 ...取材/山本 千夏
「ありがとうホタル達よ...」
よもぎ野 景井 厚
ホタルを育てて4年目
いちい信用金庫 水野 國昭
◇出展報告
「COP10交流事業inモリコロパーク」
山本 千夏
◇研修会報告
「守山のホタルを訪ねて」
日曜日班 渡辺 孝次
今年の活動 写真で見る2010年の活動
◇編集後記

<今年は猛暑でした>


中日新聞 2010年9月2日

出会いは貴重な財産

一宮平成ホタルの会 会長 日置 須務

 今年、2010年は記念すべき年で、いろいろなことが盛りだくさんにありました。そして、2010とはゴロ合わせが良く、覚えやすい数字かと思います。
 発足以来、今日までホタルの生息環境の飼育活動は、途中多少問題はあったかも知れないが、その都度会員皆様が知恵を搾り、寄せ合いながら解決し、どちらかと言えばスムーズに過ぎて来たのではないか。
 ある時、危険防止のため里親制度を創ったらどうかと話が持ち上がりました。一口に里親制度と言っても誰でも出来ることではなく、いろいろな条件が重なり、極く限られた人にしか出来ないことです。それでも会員の中で6~7人が里親となって一生懸命やっていただいております。
 今日となっては、里親制度を発足させたのが非常に良い結果を生んでます。
 さて、「一宮平成ホタルの会」発足10周年記念行事として、2010年1月に講演会を催すことを決めました。早速、事務局で「講師の先生を探し」をしていただき、理学博士で大場蛍研究所の大場信義先生にお願いすることになり、どのような条件でお招きするか、事務局はじめ実行委員長、前橋先生と色々相談し、話し合い、その結果を持って、神奈川県横須賀市の大場蛍研究所をお願いに訪問しました。
 先ず、大場先生と名刺交換。肩書きのすごさにびっくり!!
 でも「なんと気さくな先生だな~」と驚嘆し、その時フット脳裏を横切ったのが「案ずるより生むがやすしと言うことだな~」と自己満足しました。
 最後に私の思いとして、
(1)畢竟出会是人生(ヒッキョウ デアイ コレ ジンセイ)
(2)一人(イチニン)知って人生足る
(3)その時の出会いをたいせつに!
(4)素敵な出会いは人生の財産
 つまり結局は、ホタルと出会ったのも私の人生。一匹のホタルを知ってホタルのすべてを知るのも私の人生。そして、ホタルとの素敵な出会いは、私の人生の財産でもあります。 こんな思いで、今後の活動の糧にしたいと思います。

いつもの一句
「ホタルとは
  何と不思議な
    生きものか」


市制施行89周年記念式典に於いて「社会奉仕活動の善行」で表彰されました
(2010.9.1)

「平成ホタル川」への放流

一宮平成ホタルの会 顧問 前橋 利典

 昨年までの幼虫の放流は、野鳥園の中にあるホタル川とホタル小屋でしたが、今年は野鳥園の外に出来たせせらぎ「平成ホタル川」に変えました。
 この「平成ホタル川」への放流で、会としての念願であった市民の方々が自由にホタルの観察をできるようになりました。
 今年の野鳥園では、これまでに幼虫を放流し続けたホタルが、自然循環するかどうかを検証しました。そして、その成果を観ることが出来ました。
 138タワーの展望台での観賞会や「一宮平成ホタルの会」が関係する、それぞれの地域での観賞会も例年通り、多くの人たちへ感動を与え、盛況であったようです。このような活動は会にとって大変意義のある事であると思います。
 ここ数年、里親制度が充実してきました。 里親の人たちは、幼虫を一匹一匹、愛情と丹精を込めて飼育されています。今年も、その里親で飼育された多くの幼虫を小屋の上陸セットとホタル川に放流しました。多くが成虫となり、観賞に訪れた人たちの目を楽しませ、感動の世界へ誘うことができました。
 今後の活動は、「野鳥園」のホタル小屋での幼虫の飼育と「野鳥園」の池と川の整備が中心となります。
 「平成ホタル川」を観察していますと各種のトンボやメダカ、カエルそして多くのタニシが繁殖するようになりました。まだ他にも観察しきれないほどの生物が棲むようになってきているように思います。今後も多くのホタルを自然循環させたいと願う池と川です。
 水の流れを自然の流れにする工夫、ホタル以外の生物も共存できるように整備していきたいと思います。
 また、それぞれの生き物の実態を知る必要もあります。見えない部分が見えるようにし、一つの生物が生きるその奥にあるものはなにかを知ることができるように努力したいものです。
 ホタルの飼育においては、産卵、孵化、幼虫の飼育、幼虫の上陸のさせ方などを里親、他地区の方法などを研究し、工夫を重ねてみることが必要です。
 本会の活動は多方面に渡って広く、深さを増しており、それぞれに活躍されている会員の力に負うことが大きくなっています。

 これまで培ってきた知識と経験を活かした研究と観察などを継続し、お互いに声をかけ、助け合いながらの活動や、ホタルに関する情報を他地区へ発信し、収集して取り入れ、よりよい活動をしていきましょう。

特集「里親」

「里親活動の目的と今後の展望」

事務局長(公園緑地課長) 加藤 重明

 ホタルを環境改善のシンボルととらえ、 ホタルも生息できる環境の創出を目的に、平成12年に発足した当会は、大野極楽寺公園野鳥園内のホタル小屋でホタルの飼育をしてきました。平成12年に400匹からスタートし、順調に飼育数を増やし、平成15年春には37,500匹を放流しましたが、平成16年春には20,000匹と数を減らし、また幼虫も大きく成長しませんでした。その原因については今後の研究を待たなければなりませんが、一端にはホタル小屋で良好に飼育できる個体数の限界値に近づいたのかもしれません。

 また、ホタル小屋での集中飼育では、台風や地震などの自然災害や、故意、過失による何らかの人的危害により、すべての幼虫を失ってしまうというリスクが伴います。
 前橋先生の指導の元、ホタル小屋にて5世代に渡りホタルの飼育を経験した会員は、ホタルの生態に関する知識を有し、ホタルの飼育に関する技術を習得していたこともあり、これらのリスクを回避するため、平成16年8月から次のルールで里親活動がスタートしました。
(1)飼育数の上限は1,000匹とするが、100匹でも200匹でも各自が飼育可能な数とする。
(2)飼育数が150匹未満の場合は交尾する条件が厳しくなるため春に小屋に戻す。
(3)飼育数が150匹以上500匹未満の場合は上陸、羽化、産卵、孵化まで飼育する。
(4)飼育数が500匹以上1000匹以下の場合は、500匹を上陸、羽化、産卵、孵化まで飼育し残りは春に小屋に戻す。
(5)翌年以降は孵化した幼虫2000匹を飼育し残りは小屋に戻す。
(6)諸費用は各自の負担とする。
(7)第三者へのホタル(幼虫、成虫、卵)の譲渡は禁じる。ただし役員会の承認を得た場合は可とする。
 平成18年度以降、放流数は2万匹前後ですが、放流数に占める里親の皆さんが飼育された幼虫が年々増えている傾向にあります。これは裏を返せば、ホタル小屋での飼育の成果が芳しくないことを示しおり、ホタル小屋での飼育方法の検証が必要です。一方、里親制度はリスク分散するという目的を達したことを示しています。今後は更に里親活動の充実を図るため、会員の皆さんが参加しやすい制度とするための仕組みづくりが求められています。特に本年度は幼虫の数が少ないために、里親による幼虫の冬越しが緊急課題となっています。会員の皆さんのご協力をお願いしたと思います。因み新聞記事によりますと、国の天然記念物イタセンパラも病気感染などによる全滅のリスク分散、また近親交配による遺伝子の劣化を防ぐために分散共同飼育を進めるそうです。

「里親制度」6年を経過して

木曜日班 長谷川 忠治

 平成16年8月の役員会において、「ホタル里親制度」について事務局から提案された。
 この制度はホタル小屋におけるホタル飼育も、顧問の前橋先生のご指導により順調に経緯し、
  ①個人のスキルも上がってきた
  ②台風などの自然災害の被害を最小限に止めるため、各地に分散飼育
  ③里親の創意工夫による飼育方法の発見
 等々の理由により「ホタル里親制度」が開始された。
 私も常々里親をやりたいと考えていたので、第1号の里親にさせていただき7年目を向かえました。現在では私も含め7名の方が「里親」として活躍されており、うれしい限りです。
 「里親」1年目はホタル小屋での前橋先生の指導を、そのまま模倣をして約3千匹の幼虫を孵化させることができた。2年目からは専門書を参考にして、自分なりの飼育を試行錯誤しながら継続している。
 しかし、失敗や反省することも多々あり、次年度の飼育の糧としていきたい。

 我が家の「ホタル小屋」猛暑対策
 1)屋根への遮光ネット・壁面へ「よしず」を取り付けた。
 2)気温が34度を超えると予想した日は、ペットボトルの氷を水槽へ入れる。
  (気温が34度を超えると、我が家の水槽の水温が30度を超える)
 3)屋根への散水をする。

 「里親」になってよかったこと
 1)家内も会員として活動しており、共通の話題ができた。
 2)自分で考えた飼育方法で、試行錯誤しながら飼育ができる。
 3)孫と「タニシ」取りや、幼虫の分別作業により情操教育になる。
 4)近所の子どもたちに、ホタルの生態や自然環境の話ができる。

 「里親」のよいところ
 1)一年中、毎日同じ目で観察できること。
 2)参考書に書いてあることが、本当かどうか検証できる。

 老年の域に入った私のライフワークの中でも、ホタルの飼育は大きなウェイトを占めており、今後も「里親」の仲間と情報の交換をしながら続けていきたいと思います。


幼虫の選別をする孫とお友達

「138タワーホタル飛翔」を夢見て奮闘中!
-「ホタル里親」副会長 渡邉 秀雄さんを訪ねて-

訪問者:月曜日班 手嶋 雅春

 9月上旬、渡邉さんへ連絡すると快くご了承をいただき、あいにく台風9号の接近による久し振りの雨模様でしたが、カメラを持ち、自宅を訪れました。

 「3~4年前、ホタル小屋で前橋顧問と採卵作業の最終日、"ホタルの里親"とまでいかなくとも、ともかく一度育ててみたいと思い、産卵しているミズゴケを預かったことがきっかけであった」とお話が始まりました。

~ 最初の年は「100匹余りの幼虫」そして「10数匹の成虫」と思うような成果は上がらなかった。
 しかしながら、自宅での「ホタルの飛翔」は、大いに感動し忘れられない出来事となった。
 その後の「2代目ホタル」もあまりかんばしくなく、飼育場所を車庫から家の周囲へと転々とし、環境をいろいろと変えてみましたが、なかなか成果は上がらなかった。

 そこで今年は、「ホタル里親」の大先輩であり「地上100mホタル観賞会(138タワー)」班長の長谷川さんより、「地上100mホタル観賞会」で生まれた「ホタルの卵」を譲り受け、「138タワーホタル」と命名(?)して飼育しており、無事に育っている。
 毎年恒例となった6月に開催の「ホタル観賞の夕べ」(野鳥園)は、市民の皆さんから好評をいただいているが、「地上100mホタル観賞会」も人気のイベントとなっており、何年か後には、「地上100mホタル観賞会」に我が家で育ったホタル(我が子)が生出演できたら良いなと思っている。
 今後は、「盆栽」ほど手がかからないものの、若干の設備はかかるが、出来る限り自然界に近い「ホタル飼育」をいろいろと考え、一歩々前進したいと大きな夢を見ている。~

 渡邉さんと「ホタル」との出会は、役所での仕事の関係上とは言え、「一宮平成ホタルの会」の設立に関わったことが始まりですが、「ホタル里親」までのめり込むとは、全く予想もされていなかったようです。

  最後に、一番大事な飼育風景の写真撮影をして、取材を無事終了することができました。
 渡邉さんお忙しい中、ご協力ありがとうございました。

  易しそうで結構大変な「ホタル里親」を実感。今回の訪問を契機に、ますます「ホタル里親」参加への思いが膨らみ、今からいろいろ準備しようかと思っています。
以上


「138タワーホタル」を飼育する渡邉夫妻

整然と整理され、一言でビックリ

訪問日:2010年8月26日
訪問先:土曜日奇数班 伊藤勝英さん宅
訪問者 日曜日班 丸井 邦春
同行者 日曜日班 村瀬 眞二、村山 豊

 日頃、ホタルの飼育、草刈り、竹の伐採、竹細工に大活躍の伊藤さん宅に訪問し里親について話しをお聞きしました。

里親を始めようと思ったのは、
  さわやか三二会主催の「真清田ほたるの夕べ」に自分で飼育したホタルを観てもらいたいと思ったのがきっかけかな? でも、やっぱりホタルが好きだからでしょうね(●^o^●)
いつから始められましたか、
  うーん、7年前ぐらいかな? 初めは500匹からで、今年は8,000匹を飼育しました。
日頃の活動は、
・餌のタニシはどこで、

  自宅近く周辺の田んぼで捕獲。場所はマル秘??水槽でタニシ、モノアライカイ、そしてサカマキカイも飼育しています。
・水の管理は、
  水道管に磁化装置(水の分子を変化させる10万円位する装置)を設置し給水。
  夏場に氷を入れることはないです。
・設置場所・温度・容器等の環境面は、
  車庫の一部を利用。屋根にはカンレイシャとスプリンクラー を設置しており、飼育容器は発砲スチール箱を使用しています。
・ちょっと困ったことは、
  泊まりの旅行が出来ないことかな? 以前、幼虫の成長時に旅行で留守した時、餌のタニシが腐り、それが原因で幼虫までが死んだことがあった。でも工夫すれば大丈夫ですよ。
・会員の皆さんにメッセイジを
  里親はそんなに難しく考えないで、9月にホタル小屋で選別した幼虫(500匹程度)を預かり、小屋と同じように発砲スチール箱で育て、翌年の3月まで頑張って里親経験を楽しんでみてください。
  何かあればいつでも力になりますから(^-^)

<里親の伊藤さんを訪問して、>

整然と整理され、一言でビックリ ホタル飼育工場?それと朝、昼、夜とも細やかな
 観察と管理をされていることが話しのはしはしから推察することが出来ました。
 本当にホタルが大好きだなーーと思いました。
 別件ですが、一緒に訪問した村山さん、興味津々? 近い将来には里親かな??

「里親魂 1匹1匹を大切に!」

訪問日:2010年 9月 4日(土)
訪問先:水曜日班 浜元 郁雄
インタビュワー:伊藤 真志

 里親制度発足と同時に里親として活動されている浜元さんに、里親の日頃の活動・悩み・楽しみ等をインタビューをしました。浜元さんが家で育てられたホタルはホタル小屋・浅野公園・138タワー・真清田神社等に巣立ち飛び交っています。

里親をはじめるにあたり、何か問題はありましたか?
浜元>制度発足と同時(平成16年)に里親をはじめ、毎年 ホタル小屋へ育てた幼虫を返しています。
   里親になるにあたり、まず問題になったのが、ホタルを育てる場所で、ホタルやタニシを育てる水槽(発砲スチロール)を置くスペースの確保です。家族の協力で、車庫でホタルを育てることにし、車庫の車は、家の前の駐車場所へ移動してもらいました。

車庫の環境はどうですか?
浜元>車庫には屋根があるので、水温が異常に上がる事はありませんが、それでも夏場は凍らせたペットボトルを入れ、水温の上昇には気をつけています。
   上陸セットは、土が腐るため、毎年作り直しています。幼虫飼育水槽3つえさのタニシ用1つ等で最終的には水槽は5つになります。
   水槽に空気を送っているが、エアーポンプが2年に一度くらいで壊れます。

幼虫の生育状況はどうですか?
浜元>毎年3千匹弱育っています。今年は4月17日に上陸セットを作り放流しましたが、大きな幼虫が死んだ。上陸セットをつくる時期が、遅かったのではないかな~~。

飼育で一番大変なことは何ですか?
浜元>数多く育てていると一番大変なのは選別作業です。
   とても一人で選別できる数ではないので、今年は、ホタル小屋にもっていき、子どもたちに選別してもらいました。

里親をやっていて喜びは何でしょうか?
浜元>自分が育てたホタルを小屋にもどす喜びはもとよりですが、車庫の中で飛んでいるホタルの姿を近所の方に見てもらい楽しんでもらう時です。この時に里親をやっていて本当によかったと思います。
   里親をはじめて、ホタル1匹1匹の大切さをあらためて感じました。この思いをみんなにもっとわかってほしいと思います。

ここまで

たっぷりの愛情をうけてすくすく育つ幼虫たち

訪問日:2010年10月11日
訪問先:副会長 船橋 信子
訪問者:会計 山本 千夏

 10月11日、里親制度のスタート時から、ご自宅でも飼育活動を始められた船橋副会長のお宅へお邪魔しました。案内していただいた飼育室は8畳ほどの広さがあり、入口上部には、西側からの日差しで室温が上がるのを防ぐため遮光ネットが張られていました。飼育室の中には、片側の壁に設置された棚に8個の飼育ケースが置かれ、4,000匹の幼虫がすくすくと育っていました。5台のポンプが稼動し、衣装ケースを使った上陸セットが用意されている様子は、さながら野鳥園のホタル小屋ミニ版の趣です。

●里親をしていて、一番うれしかったことはなんですか?孵化した幼虫が、水苔から落ちた後、ぴょんぴょん跳ね、しばらく浮いていて、やがて水の中に入っていく様子を確認し、撮影ができたこと。

●今後、どのような飼育活動をおこなってゆきたいですか?飼育の経験から、1ケース当たりの幼虫数で終齢達成率が異なるように思われるため、最適飼育数を知り、より多くの幼虫が羽化まで生きられるようにしたい。
(2009年実績 600匹ケース 85% 850匹80%)

●里親制度はどのように広がってゆくとよいと思いますか?
 ぜひ親子班のこどもたちに、自分の手で育てることを経験してほしい。
 一宮市北部にあるご自宅の周りには田んぼがあり、お庭には水の切れた用水から救出したメダカが泳ぐ大きな水槽や、緑のカーテンを施した垣根など、ホタルだけでなく身近な自然に優しいご夫妻の様子がうかがえました。
 ご協力ありがとうございました。

寄稿

里親から 「ありがとうホタル達よ・・・」

よもぎ野 景井 厚

 名古屋の市内でホタルと向き合い7年目を迎えようとしています。1年間を通してホタルを育てる上で、手間のかからない日は、冬の限られた数ヶ月です。
 夏の終わりのこれからが幼虫の選別が始まる大変な時期を迎えます。大・小と分別し、数の確認、大のほうはそれなりに数えられますが、生まれたての幼虫は虫眼鏡で、これでもかこれでもかと隅々まで捜し求め、一つのケースで丸一日かかる時もあり目が点になる事もあります。そこまでしなくても良いと思いますが、一匹たりとも無駄にする事はホタルに対して失礼だと思うからです。そして冬を越え、桜の花の咲く頃には又選別が始まります。ここでも大きさを分別し数えます。タニシの殻に入った幼虫との格闘もあり、分別後もタニシ殻のケースを1週間程度保管し、そのケースから毎日幼虫を拾い集めます。ここでは生存率の低さで愕然となり、1年間の世話の問題点を省みることもあります。
 いよいよホタルの飛び交う季節になり、初めて飛び交った数匹の光を見つけたときの感動は格別で、その光を見つめていると1年間の苦労も忘れてしまいます。この日から又多くの苦労が始まるのです。ホタル小屋では、上陸セットの成虫を毎夜決まった時間に、産卵箱へ移す作業と夏の暑さ対策で水温計とのにらみ合いもこの時期で、扇風機の管理もこまめに行ない、小屋の環境を整えます。
 数週間後、産卵箱の水槽に針の穴ほどの小さな幼虫が浮いているのを発見したときは、胸が熱くなり、小さな命の重みを感じずにはいられません。そして、指で優しくつつき水中へ導き、餌のタニシを砕いて入れてやります。
 それから最も美しい光が、小さな幼虫のいる水槽のケースです。優しくトントンとたたくと、小さな幼虫の群れがいっせいに水中で光り、まるで小宇宙を垣間見たような現象です。この光こそが実に美しく、言葉では言い表せない光景なのです。
 これらの感動が、私にとってホタルを育てるエネルギーの源かもしれません。
 日々の世話が輝かしい光となり私達に感動を与えてくれます。最後に心から「ありがとうホタル達よ・・・」


暑さ対策のためゴーヤでホタル小屋全体を覆う

ホタル小屋の様子

ホタルを育てて4年目

いちい信用金庫 水野 國昭

 今年で4年目を迎え、多少なりともホタルの「ホ」の字がわかるようになりました。
 飼育小屋で確認した幼虫は8,300匹で、約5,800匹を「ホタルの庭」の池および水路に放流。残り2,500匹は、丹陽幼稚園園児にも参加してもらい、上陸セットに放流しました。
 上陸セットで幼虫の初上陸を確認したのが3月24日。50匹位が発光しながら上陸していました。また、成虫の確認は上陸セット内で5月6日4匹、「ホタルの庭」で5月20日1匹でした。
 今年は、5月下旬から6月上旬にかけ気温が低くかったので、観賞会は去年より約2週間遅らせ6月11日(金)~7月2日(金)まで開催しました。
 「ホタルの庭」に入園する待時間には、去年の観賞会の様子やホタルの生態を紹介するDVDを観賞してもらいました。
 延べ人数は2,728名でした。
 今年は、「ホタルの庭」全体に成虫が飛翔してくれ、見学していただいていた皆さんに「去年より沢山見られた」と喜んでもらいました。
 また、7月5日に一宮市萩の里特別養護老人ホームで移動ケージによる「出張ホタル観賞会」を開催しました。入所者の方々がホタルを見ながら「ホーホーホタル来い」と歌ってくれ胸が熱くなりました。来年も「出張ホタル観賞会」を開催する元気が湧いてきます。




紺野 美沙子さん 来社

「COP10交流事業inモリコロパーク」出展報告

出展日:2010.10.11(日)
場所 :モリコロパーク(日進市)
会計 山本千夏

 前日の悪天候とうってかわりさわやかな秋晴れ、愛知県主催「COP10交流事業inモリコロパーク」に参加しました。
 今回の活動紹介は、カワムツ、どじょう、メダカ、フナなど「木曽川の生き物たち」の水槽展示、ホタルの幼虫の水槽展示、日々の飼育活動を紹介するパネル展示、野鳥園内の竹を使っておこなう竹細工の指導です。
 一宮市環境部からの要請をうけ、船橋副会長を中心に3ヶ月かけて準備をおこなってきました。
 スタッフは、前橋先生、竹細工指導の浜元さん、長谷川さん、伊藤さん、奥田さん、安江さん、広報・記録担当の佐藤さん、水野さん、会場係りの各曜日班長、事務局、役員の総勢20名です。
 午前6時半、作製した活動紹介パネル、採集した小魚たち、ホタルの幼虫、竹細工の道具を積みこみ、大野極楽寺公園を出発しました。1時間ほどで、到着した会場には、県下の市町村が特産物、活動団体のテントが用意され、準備をおこなう人たちで活気に満ちていました。
 竹とんぼ、カエルをつくる竹細工コーナーは親子連れで終日賑わい、展示コーナーは、午前中で100名を越える来場で、前橋先生の説明に訪れた方々が熱心に耳を傾けていました。会員の滝沢さん、内藤さんも激励に立ち寄ってくれました。又、交代で他の団体の展示などを視察するなど、とても勉強になる一日となりました。


パネル展示コーナー

ホタルの幼虫の説明を受ける親子

竹細工コーナーも人気です

ここまで

研修会報告

「守山のホタルを訪ねて」

2010年11月21日(日) 滋賀県守山市
日曜日班 渡辺孝次

 総勢57人、素晴らしい秋晴れの空の下、滋賀県の「守山市ほたるの森資料館」・「琵琶湖博物館」へ研修旅行に出掛けました。
 ほたるの森資料館は、約15,000㎡の敷地に人工河川や資料館を設け、そこでのゲンジボタルの生育を通して自然と共存した豊かな水辺の環境づくりを行っている施設です。
 ここの人工河川は630mほどの流れで、野鳥園の川の流れに比べると流れがだいぶ速いように感じましたが、ここで飛ぶホタルのほとんどは自然発生しているとのことです。
 流れに沿って遊歩道が整備され、自由に散策できるようになっています。6月くらいになると、毎年4万人程の方がホタルの飛ぶ姿を見に来るとのこと。思わず平成ホタル川が人だかりになっている様子を想像してしまいました。
 学芸員の方から守山のゲンジボタルの歴史を拝聴しました。驚いたのは、守山は古くからゲンジボタルの生息地として知られ、明治~昭和初期にはホタルを天皇陛下へ献上し、天然記念物の指定も受けていたほどとのこと。
 経済成長に伴う環境汚染によりホタルが減少したのは一宮市も一緒ですが、興味深いのはホタルを乱獲した「ホタル問屋」なるものの存在でした。乱獲によって絶滅が危惧される動物と言えばトキやアジアゾウなどの動物を想像しますが、50年以上前にホタルという小さな昆虫でも同様のことがおきていたとは改めて驚きました。自然資源をもとにした金もうけは常ですが・・・。
 現在の守山のゲンジボタルの保護活動もそんな歴史があったからこそかもしれません。2000年に制定された「守山市ホタル条例」により保護区域を指定され、NPO法人や自治会、行政、学校、企業などが保護活動を熱心に行われているようです。ホタルが自然発生する河川も見られ、市内の飛翔数も増えてきたとのことでした。
 ホタル保護に対する体制は各々違いますが、皆さん今後の取り組みに対する決意を新たにしたことではないでしょうか?
 お昼は琵琶湖の近くでおいしい鮎(と、おいしいお酒)をいただき、また午後は琵琶湖博物館(立派な県立博物館、琵琶湖の歴史や環境を学べます。すべて見学するには時間が足りない!)を訪れ、今年の研修会も有意義な一日として皆さんの思い出に残ったことと思います。


「大野極楽寺公園」出発組の皆さん

「本庁舎」出発組の皆さん

「ホタルの森」全景説明板の前で説明を聞く

園内の水路で説明を聞く

今年の活動

写真で見る2010年の活動

*2010.1月23日 「発足十周年記念行事」開催 一宮スポーツ文化センターで記念講演と記念セレモニー、懇親会を盛大に行いました。

大場先生の講演

十周年記念式典

懇親会

講演会場は超満

市長から感謝状を受領

会長から全員に感謝状
*2010.2月10日 「市民参加の森づくり 植樹祭」に参加 小学生と一緒になって「大野極楽寺公園」に、いっぱい植樹をしました。

作業の説明

植樹作業

参加者の皆さん
*2010.3月28日 「平成ホタル川」に幼虫の放流 今年から野鳥園の外の「平成ホタル川」に幼虫の放流をすることになりました。 (野鳥園の中の川と池のザリガニ駆除とホタルの自生を確認するためです)

平成ホタル川

子供も入って皆で幼虫放流

市長も放流に参加
*2010.3月28日 「総会」と「親睦バーベキュー大会」開催 桜が咲く中で恒例の行事です。バーベキューは特に盛り上がります。

会長挨拶

バーベキューの準備

ご機嫌!ご機嫌!

議事の進行

和気あいあいバーベキュー

参加者の皆さん
*2010.5月3,4,5日 「リバーサイドフェステバル」出展 一宮平成ホタルの会の特産品である竹を使った竹細工教室、竹細工と竹炭販売しました。

竹炭や竹細工を販売

竹細工教室は子供に人気

市長も激励に立ち寄り
*2010.6月4,5,11,12日 「ホタル観賞の夕べ」開催 ・平成ホタル川とホタル小屋で観賞してもらいました。4日間で1,200名が来場され、会員総出で対応しました。

会員による設営

観賞前の説明

ホタルの観賞
*2010.6月5日~7月4日  ツインアーチ138展望階の「ホタルを見る夕べ」開催 地上100mでホタルを観賞してもらいました。延べ1,000名の来場者があり、会員が交代で案内しました。また、設営や撤去も大切な仕事です。

ケージと暗幕の設置

観賞室に並ぶ人人
*2010.8月  発足十周年記念誌発刊 計画から1年、原稿集めから半年の大作が完成。編集委員の活躍を幹部の方々が激励してくれました。
*2010.9月1日 「市制89年式典」に於いて社会奉仕功績の受彰 表彰の内容は「ホタルも生息できる水辺環境創りと河川清掃や緑化活動」と「小中学校の環境教育への参画に貢献」でした。

授賞式に参加した人

表彰状
*2010.10月10日 COP10「地球いきものEXPO in モリコロパーク」に出展    一宮市の代表として日出展し、野鳥園の竹を使った竹細工教室、竹細工と竹炭販売しました。    竹トンボが人気で、購入者には飛ばし方指導も行いました。

力を合わせてブース設営

足を止めてくれる来場者

「いちみん」も激励に

人気の竹細工教室

竹トンボ飛ばしも指導

モリコロも来場
  *2010.10月16,17日 「福祉とボランティア活動展」に参加    一宮スポーツ文化センターでパネル展示をしました。
*2010.10月17日 「川と海のクリーン大作戦」に参加 ツインアーチ138タワー下の河川敷の清掃作業を実施しました。

生い茂る草の中でゴミ拾い

参加者と戦利品
*2010.10月30,31日 「いちのみや秋のみどりとくらし展」に参加予定でしたが台風の影響で    中止になりました。 *2010.11月13日 「大江川クリーン作戦」に参加 毎年参加し、大江川をきれいにしています。

色々な市内の団体が集結

ゴミ拾い

参加者の面々
*2010.11月21日 「研修会」 滋賀県守山市の「ホタルの森」を訪ねました。研修会報告をご覧ください。

編集後記

今年の会報は2ヶ月も遅れて発行することになってしまいました。十周年記念誌を発刊し、ホットしてすぐに力が入らなかったことが一つの理由です。早くから情報や記事を提供していただいた皆さんには申し訳なく思っています。
遅れたことで良いこともありました。例年なら9月以降の行事やイベントの記事が掲載できませんでした。今年は、11月の研修会の報告も掲載することができました。
今年の会報では、初めてテーマを決めて特集を組むことに挑戦しました。今年の幼虫の成育状況見ると危険分散の重要性を感じます。飼育には、機械のような取扱マニュアルはありません。いろいろな人がそれぞれ飼育方法を試し、持ち寄り工夫することが必要だと思います。里親に関心がある方は、今回の記事の経験者に声をかけてみて下さい。

ホタルの放流数の記録

平成12(2000)年春 400匹を入手、330匹が羽化し、二世代目の幼虫約6,000匹を確保
平成13(2001)年春 約 6,000匹
平成14(2002)年春 約34,600匹 蚊帳の中が成虫でいっぱいでした。
平成15(2003)年春 約37,500匹
平成16(2004)年春 約20,000匹 幼虫は発育不良で成虫が激減した。
平成17(2005)年春 約10,000匹
平成18(2006)年春 約16,800匹 やっと回復するのかと期待でいっぱい。
平成19(2007)年春 約20,000匹
平成20(2008)年春 約21,000匹
平成21(2009)年春 約34,000匹
平成22(2010)年春 約16,000匹