一宮平成ホタルの会

平成20年 会報第10号

古希と蛍

会長 日置 須務

 最近思う事、この年になる迄長い間ボランティア活動を行って来て、何を得たか、得るものがあったのかと考えると、やはり人との出会いが一番多く、今日迄健康で過ごせた事、ホタルの飼育を通して身のまわりの自然環境に興味を持つことが出来た事、あるいは「一宮平成ホタルの会」発足以来多くの方との出会いがあった事、そして自分なりの趣味が活かせた事が挙げられます。
 こうした諸々の事柄が凝縮された結果、偶然にも来年小生は古希を迎え、又一宮平成ホタルの会も発足以来10年という節目にあたり、人生の大きな転換期となります。
 これからの人生、若い時の様に我を張らず、蛍の飼育活動を続け、地域の子供たち又地域の皆様に喜んで頂ける会になるよう努力し、未知の世界を探求していきたいと思います。

そこで一句、  蛍池 可憐な姿 杜若(かきつばた)

 この句を読んだのは、確か「一宮平成ホタルの会」が発足して4年目位の時だったと思いますが、当時は、メダカ、ヤゴ、オタマジャクシ、トンボの抜け殻等、野鳥では川蝉、絶滅危惧種である大鷹の姿を見る事もありましたが、最近では当時より自然環境が破壊されたのか見る事が出来なくなりました。ここでもう一度私達会の目的であります身近な自然環境を改善、保全、活用していく必要があり、これから活動を通して一考する必要があると考えます。
 最後に会員皆様のご協力をお願いし表題の言葉と致します。

ホタルが飛び交う環境づくり

顧問 前橋 利典

 自然界は地球温暖化とともに気温が上昇し続け、生き物の生態の変化が懸念されています。
 本年は多くのホタルが乱舞しました。5月の気温が例年より高かったことや、会員の皆さんが11月から2月にかけて池と川の底を洗うという作業をしたこと。寒くて大変な作業でした。こうした会員の努力と自然現象とが重なったこと、また何よりも多くのホタルを飛翔させたいという願いが通じたこともあると思います。
 例年行われている6月の観賞会も多くのホタルが飛翔したことから盛況であったと思います。特に観賞会の三日目は大雨でホタル小屋のみの観賞でした。雨の降りしきる中、観賞の順番を待つ人たちの中には幼児を抱きかかえ、静かに待っておられる姿をみました。また、会員の皆さんの熱が入った説明、同じくして大雨の中、外の川に目をやると、今日が飛び初めなのか、飛び終わりなのか、短い命の数匹のホタルが雨を避けるようにして懸命に光を放っていました。そのような様子に大変感動し、私たちに大きな力を与えてくれました。
 本会に関係する他の場所の観賞会も工夫され、盛況であったと思います。このようなことから、ホタルの会の活動趣旨である「ホタルが飛び交う環境づくり」の理解が得られ、多くの方々が興味・関心を持っていただけるようになってきました。また、是非活動したいと研修におみえになる団体も増えてきたように思います。
 このように年々私たちの新しい仲間が増えていくことは喜ばしいことであります。
 今後も一匹一匹の幼虫を大事に育てていきたいと思います。特に、夏の暑いとき、冬の寒いときの飼育を工夫し、根気強く活動していきましょう。
 また、ホタルの光のゆらぎ【冷光】が精神医学等に活用しようとする研究が進められているようです。今後、視野に入れていきたいと思います。
 里親制度も位置づけられてから数年が経ち、軌道に乗ってきました。これからも継続し、飼育時の苦労や工夫されたこと、新しく取り入れられたことなどの情報交換を定例会で行い、お互いの飼育活動に生かされることを期待します。また、他地区の「ホタルの活動」においては、その地区の実態からそれぞれの工夫がなされ、活動されています。学習したいものです。
 「一宮平成ホタルの会」も10年目を迎える年となります。「昨日飛んだホタルが、今日また飛ぶとは限らない。今日飛んだホタルが、また明日飛ぶとは限らない」と思います。これからも多くのホタルの飛翔を願い活動していきましょう。

--目次--

古希と蛍
会長 日置 須務
ホタルが飛び交う環境づくり
顧問 前橋 利典
【会員寄稿】
「ホタル」の文化について
苅谷 貴英(月曜班)
「ホタルの会で6年
小林 清子(火曜班)
ホタルの会で2年
山口 富士男(木曜班)
花紀行
石田 卓 (奇数土曜班)
フワフワ
都竹 昌子(偶数土曜班)
ほたるの会
山本 翔也(子供班)
「竹の子!採ったどー」
加藤 重明(子供班班長)
【里親便り】
「河端子ども会「ホタルを見る夕べ」を終えて
長谷川 忠治(木曜班)
ホタルが舞う学校
水野 俊夫(一宮市立浅井北小学校)
青木川のホタルも5世
佐藤 靖郎(青木川ホタル育て隊)
ちょっといい話
景井 厚(よもぎ野)
ホタル飼育2年目
水野 國昭(いちい信用金庫)
研修会とまなびー1号・2号
伊藤 真志(浅野公園班)
枕草子の蛍は
副会長 船橋 信子
前期活動報告・後期活動お知らせ
編集後記

「ホタル」の文化について

月曜班 苅谷 貴英

 ホタルの語源についてちょいと調べてみました。ホタルが尾端から火をたれるのだと昔の人が考えたことから、火たれ虫・ヒタレ・ホタルということばが生まれたとあります。また、光りながら飛ぶ様から「火照る虫」とも「星垂る虫」ともいうと記されています。


ホタルかご
 中国では紀元前300年頃の蛍に関する文献があるそうです。日本では、すでに「日本書紀」の中に名前が記されています。また、奈良時代にはホタルは邪気を払う正義感の象徴として見られた時期もあったそうです。
 ホタルたちは、人間が生活するためにつくりだした田や水路というような環境の中に住んでいました。
 しかし、今日のホタルは身近な生き物ではなくなってしまいました。最近では、希少価値が高まり、人集めや商売の道具として使われるようになってしまいました。このような状況になったのは、ホタルのせいではなく、私たち人間側に問題があったのではないでしょうか?
 一度にたくさんのホタルが見られることは、とても楽しいことです。しかし、数は少なくても毎年ホタルが見られることのほうが大切だと思いませんか? そのためには、自然環境の悪化を防ぐ努力を続けながら、今生きているホタルを大切に保護・育成する必要があると思います。

ヘイケボタルの発光
 ホタルの方言(関東と関西で光る間隔が違うこと、特に源氏ホタル)はよく知られています。つまり、ホタルは光ることによってコミュニケーション(会話)しているのです。ところで、「満月の夜にはホタルはあまり飛ばないことを知っていますか?」実は、満月の月明かりはホタルの活動を制限するほどの影響力があるのです。具体的には飛翔行動や発光行動、幼虫の上陸行動などに影響が出るそうです。また、成虫の光のコミュニケーションが撹乱・妨害されるので、配偶行為や産卵行動が阻害されます。
 蛍光灯・常夜灯などの人工照明は、月明かりよりも明るい為ホタルの行動を抑制してしまいます。また、ホタル観賞会の時に心無い人たちの手に握られている懐中電灯の光やカメラのフラッシュの瞬きは、ホタルたちにとって「光害」そのものです。
 ホタルを守るためには、人工照明がホタルから見えないようにしたり、生息地内に当たらないように工夫したりする必要があります。

ホタルの会で6年

火曜班  小林 清子

 葛かずらが茂るほたる小屋に通う道を歩いてもう6年過ぎてしまいました。
 遠いふる里の小川で毎年同じところに出てくるほたる、やわらかく「ふわふわ」飛んでいるその光を思い出しながら!!
 「ほたるの世話をする仕事お手伝いしない?」と誘われて、この一宮平成ホタルの会に入会しました。ちょうど入会した時の仕事が幼虫を仕分ける作業でした。その幼虫の何とも言えない「げじげじ」とした、好きになれない姿をはじめて見て、私はこれがあんな光をどこから出すんだろうと不思議な気持ちでした。
 その幼虫が成虫になり、大勢の人に見てもらい、子孫を残し、短い生涯を終える。季節の移り変わりと同じだなと思います。
 年中休むことない人の手で育てられ、たくさんの「たにし」を食べて、又あのやわらかで心なごむ光を見せてね。

ホタルの会で2年

木曜班 山口 富士男

 一宮平成ホタルの会に入会して2年になります。
 「もくパラ倶楽部」により御在所にトンボのアキアカネのマーキング調査に行った時に、会長の日置さんより「一宮平成ホタルの会」をお聞きして入会しました。
 私の子供の頃、昭和25~30年頃には自然がいっぱい残っていて、ザリガニ、どじょう、ふななどの魚取りをして夕方に成ると、ホタルが飛び交う群の光がとても印象に深く思い出されます。
 私は5才になった孫に初めてホタルを見せてやる為、「ホタル観賞会」に連れて行ってやりますと、ポカポカ光るホタルがめずらしいのか、とても不思議そうに見て喜んでいました。その姿を見て、私はこれが人の手を借りずに自然の環境であるようにしたいと思いました。
 最近では田圃(たんぼ)が少なくなり、宅地の造成等により水質が悪化したのが原因でしょうか、この近くでは自然のホタルが見られなくなりました。昔のようにホタルが飛ぶ環境を実現するには経済性や利便性を重視する現代社会においては大変難しい事かと思いますが、今後良い環境を残して行く為に、私達で環境保護の輪を広げて、これからも活動に参加して行きたいと思います。

台風一過で見た野鳥園の彼岸花
H20.9.20撮影

花紀行

奇数土曜班  石田 卓

 最近は何処の家庭でもプランターやハンギングにまた庭にと花を栽培している家庭が増えています。我が家でも四季折々の花を年中玄関先や裏庭で栽培し、道行く人達に楽しんでもらっています。花も咲いているときよりもそれまでの管理が大変です。昔と違い今は春先に咲く花でも11月ごろには苗を入手し、植えて寒い冬を越すと立派な花を咲かせます。また夏場の水やりは、朝晩の日課でこれまた大変な仕事です。でも道行く人や近所の人がきれいですねと言ってくれると苦労も飛んでしまいます。こうして毎年妻と二人で花を栽培している今日この頃です。
 40年前市役所に入職して間もないころ、山岳部に誘われ、あちこちの山へ出かけたとき自然に咲く花を見て心が癒されたものです。最初に感動したのが白山で出会った黒百合の花、戦後流行った「黒百合は恋の花」を思い出しました。次は白馬岳近くで見たクルマユリとチングルマの群生も印象に残っています。最高の出会いは南アルプス甲斐駒ケ岳の稜線の下でひっそりと咲いていたコマクサ、よくぞこんな瓦礫の中で可愛い花が咲いているのかと感心したものです。今でも脳裏に焼きついています。もし足に自信があればこれらの山に行き、もう一度再会したいものですが、年寄りには無理ですね。
 最近は妻と一緒にドライブがてらあちこちへ花を見に行っています。印象に残った所を2、3紹介しますと、高山の奥に宇津江渓谷という所がありますが、そこの九輪草は山肌一面に咲き誇り見事なものです。6月中旬に是非入ってみて下さい。カタクリの花は岐阜の高富や白川郷の山奥、ユリは岐阜の谷汲、ダイナランドスキー場、掛川の可睡百合園があります。チューリップは海津の木曽三川公園、富山の砺波、バラは岐阜の花フェスタ記念公園、大野町のばら園が有名です。これらは人工に栽培しているもので、人の手がかかっているものや地域の人達が守っているものばかりです。こうしてみると、春先から7月頃までは大変忙しい休日です。また春と秋には所属しているボランティアグループと石川・富山・岐阜の山奥に植樹に行っております。これは昔スキー場などで乱開発した所を自然に戻そうという考えで行っているもので、植える木は落葉樹が主で地元の人達や行政が苗木を育ててくれているのでそれを植えてくるのですが、メンバーは高齢者も多く最高は91歳で元気よく参加されております。こうしたことによって、少しでも日本が昔の姿になってくれれば自然が戻り、良い環境が取り戻せるのではと思いを込めて植樹をしております。


河津桜

宇津江の九輪草

フワフワ

偶数土曜班  都竹 昌子

 暗闇の中に黄色い光がフワフワといくつも飛んでいる、草の中にもいくつもの光。 第3の池から足もとを気にしながら、沢山のホタルを見て今年は期待できるかもとチョッピリ期待しながら小屋に向いました。
 いざ小屋の中に入ると無数のホタルが飛んでいて、今まで毎年見ている中で私的には一番きれいで感動しました。このような光景を見ると、前橋先生始め、会員皆さんの一年間の努力が報われた思いです。この日の観賞会に来られたお客さまは、皆さん満足そうな顔をして帰っていかれ、少々鼻が高い気持ちになりました。
 観賞会の翌週、主人の友人から上石津の田舎の家の方にホタルが沢山飛んでいるからと連絡をいただき、主人と一緒にさっそく行ってきました。
 そこは民家もまばらで、車の往来もなく、バックが小山で、細い小川と水田があるだけでしたが、シーンとした中でゲンジボタルがフワフワと多数飛んでいました。車のハザードランプをつけると、それに合わせて家の方まで飛んで来るとか、稲を作るのに農薬を減らした年は、ホタルがより多く飛ぶ等の話を聞いてきました。
 自然の中では、私達人間が環境破壊などでホタルの減少を招いているのです。
 今、小屋の中には沢山の卵が産まれているので、今年の感動を来年につなげる為、また皆さんでお世話をガンバリましょう。

ほたるの会

子供班 6年  山本 翔也

 ホタルの会で楽しかった事がいっぱいあります。一つ目はたけのこほりです。たけのこほりでは、短いたけのこ、曲がったたけのこなど、いろいろなたけのこがあっておもしろかったです。二つ目は竹とんぼ作りです。竹とんぼ作りは簡単だと思っていたけれど、作ってみたら案外難しかったです。でも竹とんぼを作るのはすごく楽しくて面白いと思いました。
 僕はホタルの会がおもしろいし楽しいです。僕はそんなホタルの会が大好きです。これからもホタルの会を続けていきたいです。

「竹の子! 採ったどー」

子供班 班長  加藤 重明

5月25日 子供班は竹の子堀りをしました。
デッキに集合、まずはレクチャー

・芝生の緑は定期的に芝刈りや除草をしないと保たれない化粧した緑。
・市民の森の緑は管理を自然に任せた自然な緑。
・里山の緑は、人間が薪や炭など燃料を得るため、また落ち葉をかき集めて肥料にするなど、人間の生活と密接に関わった緑。
・野鳥園の竹やぶ!今は、野鳥のために周りをフェンスで囲ってあるけど、以前はフェンスがなくて、竹の子を採ったり、資材として竹を利用してきました。
・以前は里山と同じで人間の生活と密接に関わった竹林でしたが、今では人間の関わりがなくなって竹やぶになってしましました。
・竹林は傘をさして歩ける位の竹が生えている林、竹やぶは前を向いたり横を向かないと歩けない竹ばかりの藪。
・竹やぶはなにもしないとどんどん広がって、樹林を侵食してしまします。樹林が少なくなり竹やぶが広がると野鳥達も困ります。 ・野鳥達は木の枝と枝の間を飛びます。竹やぶの中では飛ぶことが出来ませんし、竹やぶばかりでは、木の実などの餌も採れません。
なので竹の子掘りをします。
・野鳥園に生えている竹は、マダケとハチクです。
・みんなが普通に食べる竹の子はモウソウチクの竹の子で、4月頃にニョキニョキと地面から顔を出します。
・野鳥園ではまず、ハチクが5月中旬から、マダケが5月下旬からでてきます。ハチクやマダケの竹の子も美味しくいただけます。
・では、頑張って竹の子を探しましょう。

里親便り

河端子ども会「ホタルを見る夕べ」を終えて

木曜班  長谷川 忠治

 浅井町河端子ども会からの要請により開催している「ホタルを見る夕べ」は今年で6回目となり、6月14日と15日の二日間にわたり河端公民館で開催され、250名の方々にホタルの優雅な光の舞を観賞していただきました。
 後日、「ホタルを見る夕べ」に参加した子どもさんから感想文が届きましたので、抜粋を紹介します。

★ホタルの光は神秘的できれいだなぁと思いました。ホタルの幼虫も光るという発見がありました。来年もまた行きたい。(6年 川浦 恭平)
★ヘイケボタルと聞いて、社会の授業で習った「平家と源氏」の関係のことです。そのことは、どんな意味があるかわからないけど、いつか知りたいです。また、来年も見たいと思います。ホタルがたくさんいるような自然がもっと増えたらいいと思います。(6年 高坂 将汰)
★ホタルがあんなにたくさんいるとは思っていませんでした。すごくきれいでした。幼虫がタニシを食べるということも初めて知りました。(6年 樫塚 絵夢)
★ホタルの幼虫は、タニシを食べることがわかりました。幼虫のことや、なぜ光るのか、もっといろいろなことを調べてみたくなりました。(6年 鈴木 兼世)
★ホタルが河端で勢いよく飛んでいる姿を想像してみたら、河端もホタルがすめるような環境にしたいと思いました。(6年 沢田 菜保美)
★テントの中にいっぱいホタルが入っていて、とてもきれいでした。くらい部屋で見るので、星のように見えてとってもきれいで感動しました。(5年 飛田 ゆうき)
★2日行っての思い出は、ホタルをテントの外からさわったことです。また見たいです。(5年 岩田 浩実)
★ホタルはとてもきれいでした。庭にいたらいいのになぁと思いました。(5年 尾関 恵実)
★ホタルはテントに入っていました。ホタルは光ったり、消えたりして、おもしろかったです。また見られるといいと思います。(2年 ひだ 栞里)
★部屋に入ると暗くて、テントのなかにはたくさんのホタルがいて、とてもきれいでした。はじめて見られてうれしかったです。(1年 武馬 誠也)

 ホタルを初めて見た子どもさん、何回も見たことのある子どもさん、それぞれに感想が違いますが、あのホタルの光を見て心がいやされ、環境について考えてくれており、このイベントの目的も達成されています。今後も当会の了承のもとに継続して実施していきたいと思います。

広がるホタルの輪

 一宮平成ホタルの会の皆さんが育ててきたホタルが、地域の自然を大切にと活動される方々、環境保全の大切さを学ぶ子供たちの手によって、広がり育っています。ホタルの飼育を通してホタルが生息できる環境作りに尽力される皆さんの熱い活動報告です。

今年度譲渡した幼虫数
 ・一宮市立浅井北小学校500匹(校内ホタル池)
 ・各務原市立川島中学校200匹(鉄砲川)
 ・学戸ホタルの会(蟹江町)500匹(学戸小学校内飼育小屋)


今年譲渡した学戸ホタルの会

ホタルが舞う学校

一宮市立浅井北小学校長  水野 俊夫

 「うわー、とってもきれい。」子どもたちが歓声をあげます。毎年6月の夜、児童や保護者、地域の人たちが、中庭のホタル池に集まり、ホタルを観賞します。
 本校がホタルの飼育を始めたのは平成14年で、あしかけ7年にもなります。平成13年のホタル池造成から始まったホタルの飼育活動は、本校の大切な教育活動になりました。一宮平成ホタルの会会長の日置須務さんから、ご指導やご助言をいただきながら活動を進めてきました。
 ホタルの飼育は、大変地味で根気のいる仕事です。えさを与えることだけでなく、適度な水温の維持にも神経を使います。長期間飼育し、ホタルが成虫になり、光を放って宙に舞う姿を見ると、本当に感動します。


地域のみんながホタルを楽しむ校庭
 卒業を控えた6年生の子は、浅井北小学校で自慢できることは、「ホタルを飼育していることである」と言ってくれます。その言葉に私自身とても嬉しく思い、ホタルの飼育を本校の大切な教育活動として続けていかなければと思っています。

青木川のホタルも5世

青木川ホタル育て隊 飼育担当  佐藤 靖郎

青木川河畔で、ホタルを育てて5年になりました。
 今年も昨年同様、たくさんのホタルを近隣の皆さんに、楽しく観賞していただくことができました。
 今年は、初ボタルの発生場所と発生日を注意深く観察しました。その結果、成虫は、水温の高い場所から順番に発生しました。これは、当たり前のことですが、幼虫の成育に適した水温があるということです。私たちは、井戸から汲み上げた水をそのまま飼育に使っており、冬暖かく、夏冷たく快適ですが、ホタルの幼虫が気に入る水温ではないようです。このことが分かるのに3年もかかりました。また、前橋先生は、幼虫の飼育で重要なことは、冬場と夏場の水温管理だと言っておられます。
 5世の幼虫で、越冬前後で比較すると、冬を乗り越えた幼虫は、70%位だったようです。
越冬前に大きく育った幼虫は、生存率は高く、小さい幼虫では、大幅に低いようです。今年の幼虫で、具体的に少し詳しく調べる予定にしています。卵と孵化、そして夏を乗り越える幼虫の様子は、残念ながら、分かりません。
 このことから言えることは、夏を乗り越えた幼虫を、越冬までに少しでも大きく育てることが大切だということです。
 飼育方法について、まだまだ暗中模索が続きます。
  話題は変わりますが、今年は異常に暑く長い夏で、体が解けるのではないかと思いました。少々雑な観察記録から、分かる範囲でホタルの様子を拾い、昨年と比べてみました。温暖化の異常気象なのか、ホタルも昨年と比べ、5~10日位活動が早かったようです。


千秋保育園児による幼虫放流

田圃で飛ぶホタルを観賞

ちょっといい話

よもぎ野  景井 厚

 今年もホタル観賞会が無事終了し、来年に向け長い1年が始まります。水の入れ換え、餌を砕いて水槽へ、キリ吹き、そして、暑いときは午後2時過ぎから夕方にかけて水温の確認、 水温が高ければ氷を入れ、夜も水温確認と上陸セットの成虫を産卵箱へ、めまぐるしく作業が続きます。でもこんな苦労が吹っ飛んだいいことがありました。
 ホタル観賞会での出来事です。いつものように私は木橋のところで、お客様に「立ち止まらないで下さい」「ホタルに触らないでネ」と優しく言葉を発して誘導と注意を行っていました。そこへ小学校1・2年生ぐらいの女の子と保護者のお婆さんが来られ、その女の子が必死にホタルを掴もうとしたので、私はいつもの様に言葉を発しました。ところがなかなか聞き入れてもらえず、少し大きな声を発したところ、お婆さんが「この子、耳が悪くて聞こえないの、ごめんなさいね」と丁寧に謝られ帰られました。そして次の日も又来られて、少し嬉しそうに、「この子ね、夕べねホタル、ホタルとしゃべったの、いつもはパパ、パパと二言しかしゃべれないのに、昨日はホタルって、三言しゃべったんです。本当に嬉しくて今日も来ました」、「この子にはホタルの光で、何か感じるものがあるのかしら?」と話され、このことが縁で少しお話が出来るようになりました。
 2、3日後、「この子ね、養護学校でホタルのことを発表したらしく、今日はお友達も一緒に来ました」と挨拶をされ、4、5人の友達と保護者の方がホタル池の方に進まれ感激され帰られました。  私は今まで何気なくホタルを見、何気なく奇麗と思っていただけで、それ以上深くは感じられませんでした。ところがこの出来事で、初めて大切なことが解った気がします。
 《自然の力》《自然のすばらしさ》は《目では見えない》《耳では聞こえない》何かが作用していることを・・・


よもぎ野で光り輝くホタル

観賞会の様子

ホタル飼育2年目

いちい信用金庫  水野 國昭

 今年で2年目を迎え、去年飼育小屋で確保した幼虫が4,000匹で、約3,000匹を「ホタルの庭」に放流し、6月5日~6月27日の13日間で特別観賞会を行いました。参加人員は約1,350名です。
 去年に南側マンションの光が課題であったのを遮光ネットで何とかクリアでき、多い日には150匹の成虫が確認できほっとしています。
 今年は幼虫700匹を飼育小屋で飼育し、520匹の成虫を確保し、産卵箱に入れました。(羽化率74.29%)
 現在、幼虫の確保は約20,000匹で、来年の観賞会を楽しみにしています。
 今年初めて上陸セットの中で幼虫が上陸している様子を夜確認でき、星空のように輝いていました。本当に綺麗で感動しました。


いちい信用金庫のホタルの庭


ホタルの交尾の様子(いちい信用金庫 提供)

研修会とまなびー1号・2号

浅野公園班  伊藤 真志

 私が最初に平成ホタルの会の研修会に参加したのは、平成14年でした。この時はまだ私もぴちぴちの20代で当時の彼女(※注 現在の奥様です。良かった良かった。)と一緒に参加させていただき、安城の明治用水土地改良区へ行き、行政との連携や活動状況を学びました。
 研修会は他地域の活動状況・地域環境に触れる良い機会で、様々な地域で地元の方々が工夫され、自然環境を守っていることを学ぶことができます。
 この安城の研修会の帰り道、一宮市役所に到着する前に研修会用の一宮市のバス「まなびー」に軽自動車が衝突し、びっくりしたのを覚えています。
  そんな「まなびー」も昨年の研修会では三ヶ根山の坂道がのぼりきれない不運に再びみまわれてしまい、「まなびー」自身も坂道には限界があることを学びました。
色々なことを学ぶことができる研修会 今年は「まなびー」と一緒にどこへ何を学びにいきましょーか?

 ちなみに我が家のかわいいベイビーの名前も「まな」でして、「まなびー」には親近感を覚えます。パパと一緒に色々学ぼうね!

コラム

枕草子の蛍は

副会長  船橋 信子

 今夏も、数千匹の幼虫が孵化し、毎日世話に追われています。里親として、今年も二千匹余をホタル小屋に戻し、責任を果たすことが出来ました。自宅で蛍を飼育することに、主人とともにだんだんとのめり込んでいくのが、よく解るこの頃であります。
 さて、今年の「ホタル観賞の夕べ」は、主人は4日間、私は真清田神社での観賞会と重なり、3日間の案内となりました。3日目は雷と豪雨、皆さん大変ご苦労様でした。
 北方連区校外活動の環境教育での蛍観賞会など、イベントの案内では、蛍の一生や環境との関連など基本説明とともに、より面白く興味を持ってもらえるよう、テーマポイントを考えてきました。昨年は「癒し」で蛍の光とモーツァルトの音楽、一昨年は「エネルギー効率」で蛍の光と石炭火力発電との効率比較でした。
 今年は、「枕草子の蛍は」枕草子第一段。
 春は、あけぼの。(以下略)
 夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。蛍の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
 秋は、夕暮。(以下略)
 冬は、つとめて。(以下略)
 かすかに光って飛んでいくのも、夏の夜の快い趣があると書かれています。この蛍はおそらくヘイケボタルであると思います。平安中期、千年前清少納言もヘイケボタルが好きだったのでしょうか。
 来年の案内テーマは、何にしようかな。

平成20年度前期(4月~9月)例会活動状況

平成20年度総会
及び3月例会
3月30日 総会、例会
4月例会 4月月27日 幼虫選別、放流、放流場所への餌やり
5月例会 5月25日 産卵セットの設置、小屋とその周辺の整備
子供班は竹の子掘り
6月例会 6月22日 幼虫選別、卵採集、池・小川の環境改善
子供班は竹とんぼつくり
7月例会 7月27日 水槽の水替え、除草及び竹の伐採
子供班は昆虫観察
8月例会 8月24日 水苔の撤去、小屋のネット外し、除草及び竹の伐採
子供班は水中生物の観察
9月例会 9月28日 幼虫選別、池・小川の整備

その他の活動状況

◇竹炭、竹細工販売  5月 3日 ~5月5日
08いちのみやリバーサイドフェスティバルにて出店

◇浅野公園班  5月7日
浅野小学校生徒にて浅野公園の小川に幼虫放流

◇ホタル幼虫観察会  5月9日
子供班
 上陸する夜の幼虫観察会(保護者も参加)池や小川では、まったく確認出来ない年が多い中、久々に相当の数の幼虫の光が、水中で、草むらで確認できました。
 飼育小屋は例年どおり銀河のように光っていました。成虫の光は見たことあるけど、幼虫の光ははじめて、凄い!親子で感激でした。(子供班 加藤)

◇ホタル138  6月7日~7月6日の土、日曜日
 138タワーパークのツインアーチ138展望室で、6月7日から7月6日の土/日曜日に毎日19時~21時開催。開催した10日間に来場されたお客様は、総計 1,479名でした。
一番多い日には265名が来場され、展望台の通路を半周する長蛇の待ち行列ができました。  観光情報誌で紹介されたこともあり、わざわざ豊田市、東海市、岐阜市からの遠方や、子供が夜間でも安心して観賞できる場所として、稲沢のボーイスカウトが来場されていました。
 蒸し暑い暗幕の中で、汗をかきかき説明を担当していただいた皆さん、お疲れ様でした。(木曜班 長谷川)

◇ホタル観賞の夕べ  6月6日・7日・20日・21日
 観賞会三日目の6月20日は残念ながら天気に恵まれませんでしたが、約130名の方々が飼育小屋で観賞しました。
 その他の日は天気に恵まれ盛大に開催することができました。今期はなんと言ってもホタルの発生がよく、これまで最高に近い数のホタルが光っていました。
 手や帽子で簡単につかまるほど飛んでいました。手のひらの中でピカピカ!凄い。帽子の中でピカピカ!ワァー。服にもくっつくし、それはもう、大変なことになっていました。飼育小屋は例年どおり宇宙になっていました。まさに3次元の光、プラネタリウム状態でした。(奇数土曜班 加藤)

◇真清田神社ホタル観賞会  6月7日
 さわやか三二会主催

◇ホタル成虫観察会  6月13日
 子供班、賛助会員(保護者も参加)

平成20年度後期(10月~3月)の主な活動のお知らせ

08いちのみや秋のみどりとくらし展

  ※ 日  時   平成20年11月1日(土)・2日(日)
  ※ 場  所   大野極楽寺公園
  ※ 一宮平成ホタルの会で竹細工の出展をしますので、都合がつく方は応援お願いします。

研修会

  ※ 日  時   平成20年11月30日(日)
  ※ 場  所   未定
  ※ 内  容   現地視察
  ※ 参 加 費   未定

身近な環境改善活動に参加しましょう

 今年も身近な環境改善活動の一環として、下記のとおり、川の清掃活動等に参加します。ご協力をお願いします。
◆ 『川と海のクリーン大作戦』・・・主催 一宮市
  ※ 日  時   平成20年10月19日(日)午前8時から1時間程度(小雨決行)
  ※ 集合場所   ツインアーチ138西側(渡橋下流側)駐車場
◆ 『大江川クリーン作戦』・・・主催 グラウンドワーク一宮実行委員会
  ※ 日  時   平成20年11月8日(土)午前9時30分から11時まで(小雨決行)
  ※ 集合時間   午前9時
  ※ 集合場所   天道公園(羽衣1丁目、和光交差点南西角)
  ※ 駐 車 場   競技場北側の競輪場駐車場をご利用ください。
  ※ 持 ち 物   掃除道具、軍手、長靴など(ゴミ袋以外は用意されません。)

新年会(予定)

  ※ 日  時   平成21年1月上旬
  ※ 場  所   扇矢(市役所本庁舎東)
  ※ 参 加 費   男性:5,000円 女性:4,000円

ホタルの放流数の記録

平成12(2000)年春 400匹
平成13(2001)年春 約 6,000匹
平成14(2002)年春 約34,600匹蚊帳の中が成虫でいっぱいでした。
平成15(2003)年春 約37,500匹
平成16(2004)年春 約20,000匹幼虫は発育不良で成虫が激減した。
平成17(2005)年春 約10,000匹
平成18(2006)年春 約16,800匹やっと回復するのかと期待でいっぱい。
平成19(2007)年春 23,135匹
平成20(2008)年春 約21,000匹

編集後記

 COP10(コップテン)って何?
 2010年生物多様性条約第10回締結国会議が、名古屋で開かれます。なにやら難しそうな名称ですが、「地域固有の歴史が育んだあらゆる生物種が、 それぞれにふさわしい環境で生き続け、健全な生態系が持続するように、人間の活動自体を自然に調和させる重要性について」など身近な環境についても議論されます。
 野鳥園にも、かつてトンボが飛び交い、ウシガエルが鳴き、さまざまな水生昆虫や梅花藻が咲く固有の生態系がありました。人間の関与によりザリガニの大繁殖がおこり、瞬く間に生態系が壊れました。野鳥園固有の生態系に配慮することなく生き物・植物の持ち込むことにより、自然を破壊につながります 野鳥園本来の生態系保全が、ヘイケホタルも生息できる環境への一歩です。
 園外からの動植物の持ち込み禁止へのご理解とご協力をお願いします。

<資料参照>
生物多様性と生物多様性条約締結国会議(COP10)について

http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/cop/index.html

※生物多様性とは、 あらゆる生物種の多さ(種の多様性)と、それらによって成り立つ環境の 豊かさやバランスのとれた状態(生態系の多様性)を言い、生息地域などで個体差を生じる遺伝子(種の多様性)を含めた概念
(広報委員  山本 千夏 記)

会報編集委員
  • 佐藤 靖郎
  • 山本 千夏
  • 松原 幸男
  • 加藤 重明
  • 伊藤 勝英
  • 山田 芳久
  • 中川 しのぶ
  • 岩田 智弘
  • 伊藤 真志
一宮平成ホタルの会
会長 日置 須務

事務局 一宮市役所公園緑地課
TEL (0586)-73-9111

発行人 一宮平成ホタルの会
発行日 平成20年10月1日