一宮平成ホタルの会

平成18年 会報第8号

広がるホタルの輪

顧問 前橋 利典

 今年は、3月末から4月にかけて池と川、飼育小屋に放流しました。5月に入り、気温が上がらなかったためか、例年と比較し、1週間から10日程、飛翔が遅くなりました。この傾向は、他の地域も同じであったようです。それにもかかわらず、今年も飛翔するホタルを見ることができたのも会員の皆さんの日々の活動のたまものです。
 特に、ザリガニの駆除の甲斐があり、発生当初と比較し、年々飛ぶホタルが元に戻りつつあります。今後もこのような活動を継続していきたいと思います。
 さて、一宮平成ホタルの会の趣旨の一つである「ホタルが飛ぶ環境づくり」を推進していく活動も従来の浅野公園、会員が中心となり運営している青木川、矢田・庄内川などや近隣の小学校の他に今年は、萬葉公園にも施設ができました。全てにおいてホタルの飛翔する姿を見ることができ、それぞれの地域の多くの人たちに感動を与えました。
 このように、ホタルの会の趣旨が少しずつではありますが、浸透していくことは喜ばしいことであります。
今後は、本拠地である野鳥園において、例年の飼育活動の他に次のような活動をします。その内容は自然界におけるホタルの生態をより深く知るために、水源付近にゲンジボタルの幼虫の飼育、カワニナとタニシの養殖などや、第2の池付近の川に幼虫を観察する場所を設置します。
 このような活動を通して、来年度はより多くの飛翔が見られるように工夫と努力を重ねていきましょう。

ホタルのおじさん

一宮平成ホタルの会 会長 日置 須務

 今年は全国的に春先の異常気象により、ホタルの飛び交う時期が一週間余り遅くなりました。
 私が担当しております浅井北小学校についてちょっと述べさせて頂きます。先ず、校門を入りますと、私を迎えてくれる様な標語が目に入ります。その標語とは!!
 ホタルといっしょ、飛び交う挨拶、ピカピカ笑顔!!
 そして校内に入るなり、子供達が「あっ!! ホタルのおじさんだ。」と言って、私を迎えてくれ元気よく挨拶をしてくれます。感動。
 浅井北小学校ではホタルの飼育は五年生が担当し、教室の廊下に飼育ケースを置き、夏休みの期間は飼育ケースを職員室に移動、夏休み中も5~6名のグループ単位で面倒を見ています。
 今年はちょっとしたハプニングが? それはビオトープの周りの草刈りの時、草を刈るのではなく、根っこから草を抜いてしまったこと、幼虫の上陸時にどうなるかなと心配していました。
 放流はいつも四月の中頃に行いますが、私は毎年放流する時は、子供達にただ単に投げ入れるのではなく、「鑑賞会には元気で成虫となって飛んでね!! と願いを込めて放流して下さい。」と言っています。
 心配していた今年の鑑賞会は昨年より、より多くのホタルが飛び交い心配したことはありませんでした。そして、地域の皆さんに大勢来て頂き、大変喜んで頂きました。
 この様に何が幸いするか分かりませんが、みんなが色々と知恵を出して一生懸命面倒を見れば、時期に入れば必ずホタルは飛んでくれます。安心しました。
 ホタルは小さな生き物ですが、どんなに小さくても生き物には変わりはありません。
 あの小さなホタルを媒介として夢を追い続ける夢人。感性豊かな人に育ってほしいと私は願っています。

--目次--

広がるホタルの輪
顧問 前橋 利典
ホタルのおじさん
会長 日置 須務
【会員寄稿】
腰明蜻蛉(ほたるへんぶ)
森永 重代記(偶数土曜班)
「癒しの光」に思いを寄せて
苅谷 貴英(月曜班)
「ザリガニよさらば」
鳥羽 詔二(奇数土曜班)
リバーサイドフェスティバルでの活動
中川 しのぶ(水曜班)
ホタルの飼育に参加して
三貫納 健治(金曜班)
「タニシに恋!?」
伊藤 真志(浅野公園班)
【特別寄稿】
ホタルの会で楽しかったこと
山田 将之・朋広(稲沢市立稲沢西小)
【ホタルが広げる地域環境づくりの輪】
ありがとう御座いました
影井  厚(よもぎ野)
青木川3世ホタルの舞に感動
佐藤 靖郎(青木川ホタル育て隊)
活動報告
加藤 正典(萬葉公園ほたるの会)
【里親便り】
「里親としての責任と楽しみ」
船橋正暁・信子
ライフワーク
長谷川 忠治
"自然の中で舞うホタルをめざして"
丹羽 三五(奇数土曜班)
【夏のホタル研修会報告】
三州ホタルを守る会を訪ねて
山本 千夏(浅野公園班)
活動報告・お知らせ
今年のトピック・編集後記

【会員寄稿】

腰明蜻蛉(こしあきとんぼ)(ほたるへんぶ)

偶数土曜班 森永 重代記

 野鳥公園のとんぼの種類が少なくなった中で、これまでに見かけなかった「こしあきとんぼ」(1),(2)が昨年から「塩辛とんぼ」、「なつあかねとんぼ」(2)に次いで見られるようになった。子供の頃、この「こしあきとんぼ」だけが素手で捕らえることの出来なかった羨望のとんぼだった。樹木が天井を覆うように伸びた薄暗いところを飛び交う様は、腰の部分だけが白い点となって見え、恰も蛍が飛んでいるかのようで、祖父は「ほたるへんぶ」と呼んでいた。
 第3の池で写真に撮ることができて子供の頃果たせなかったことがやっと叶えた思いでうれしかった。福岡県の筑後地方では「とんぼ」のことを方言で「へんぶ」と呼んでいたので「ほたるとんぼ」で図鑑の索引を探したが見当たらなかった。形態図から「こしあきとんぼ」なる名称を探し当てた。その名称は、下記に紹介するように体が全体に黒く腰の部分の黒色が抜けて白くなっていることに由来するらしい、味気のない名前である。今も「ほたるへんぶ」と呼んでいるのか、電話で郷里の友達に確かめてみると、「こしあきとんぼ」自体を見る機会がなく、すっかり忘れられていた。今更ながら、「ほたるへんぶ」と名づけた筑後地方の情緒豊かな昔の人々が懐かしまれる。

 こしあきとんぼ(腰明蜻蛉)の形態と生息地
体長:42mm、羽根をひろげた長さ(翅張(しちょう))79mm内外。体色:黒褐色。顔面:黄色、2個の褐色環状紋がある。頭頂:黒藍色。はね(翅):透明、先端部の紋(縁紋)は黒色、前縁近傍は多少黄色、前後のはね(翅)の付け根に黒褐色班があり、後ろの翅にある班は殊に著しく大形である。脚:黒色。雄:第2第3第4腹節は白または黄白色。雌:第4腹節に黒帯がある。生息地:樹木で囲まれたやや薄暗い池沼や流れの緩い川。成虫出現期:5月下旬から10月中旬。分布:本州、台湾、中国。
参考文献:(1)集成昆虫図鑑 著者村越三千男、(2)昆虫の図鑑採集と標本の作り方 著者福田晴夫他


こしあきとんぼ 撮影場所:野鳥園第3の池

「癒しの光」に思いを寄せて

月曜班 苅谷 貴英

 月曜班は、総勢9名です。活動は日置会長を中心に「作業はテキパキ、雰囲気は和気藹々(わきあいあい)」作業終了後は会場を変え? ミーティング(ダベリング)を行っています。
 今年は、ホタルの幼虫の数も多く、もしここにいる子達が全て成虫になったら・・・などと、今から気持ちは既に2007年6月×日に往ってます。しかし、その思いも長くは続かず「手足のかゆみ」がその気持ちを現実に引き戻してくれます。自分は、人一倍汗かきで、表面積が大きいので蚊にとってはいい「エサ」だと思います。さらに、ホタルの幼虫に気が集中し、蚊のことは忘れているので作業が終わり、いつも気付くと「ボコボコ」です。(悔しいので蚊に施したんや、と思いながら刺された跡に「+」、「-」の印を付けてかゆみを紛らわしています。)
 自分はホタルの会の存在をネット上にある情報だけで、実際のところあまり知りませんでした。ホタル小屋までは自宅から車で5~10分という地理的条件にありながら、人には見えない県境の線を越えてこなければなりません。
 最初、一宮市以外の者がホタルの会に入会できるのだろうか? と迷いながら総会に参加しました。会場では、会の人達には優しくしていただきました。会は安堵感に浸っている内に終了し、内容は何も判らないままでした。唯一判ったのが「月曜班」ということでした。
 まだ入会して日は浅いですが、自分にも夢があります。ホタルの飼育活動を通して、ホタルを蝶やトンボ、セミみたいに人にとって身近な生き物にしたい。それには生き物達がお互いに住みやすい環境づくりが必要であると人々に伝えていきたいと思います。

「ザリガニよさらば」

奇数土曜班  鳥羽 詔二

(撮影 中川 しのぶ)

 8月の猛暑の中、今日の作業は? と思うがやはりザリガニ捕りになってしまう今日この頃です。
 小屋に着くなりスルメを裂いてエサ作り、バケツと網とエサを持って、さあ、ザリガニ捕りだ。
 先ず第2の池で捕獲網やペットボトルを上げていく。何匹入っているかな、いや入っていないようにと願いつつ。時にはエサの入っていない捕獲網やペットボトルにザリガニが入っている時もある。トンボのヤゴやタニシ、メダカが入っているので選別してザリガニのみをバケツに入れていく。そしてエサを補給していく。腰の痛みも忘れ、蚊に刺されながら、虫を払いのけながら。小屋に帰ってから数えるとこんなに捕れたのかと、ザリガニはこんなに増えてはいけないと怒りが湧いてくる次第です。
 この自然な環境の中での作業が、今までは清々しいとさえ感じ、ホタルの乱舞を夢見ていましたが、自然の強さ、外来生物の怖さを感じるようになりました。いくら草木を刈りとってもすぐに伸び、生えてくる。芦も竹もしかり。ホタル幼虫保護のために作業メインとしての外来生物ザリガニ捕りを行っていますが、毎日捕っているのに一向に減っていない。むしろ増えている。そんな馬鹿なと思ってみても現実です。人の力では限界なのか? 機械や薬物を使用しなければとも考えたりします。もう一日も早くザリガニとおさらばしたい。機械や薬物を使わないようにもっと何か良い方法があるんじゃないか、考えなければならない。
人間は考える芦である!!

リバーサイドフェスティバルでの活動

水曜班 中川 しのぶ

 リバーサイドフェスティバルでの活動は、私にとってホタルの会での親睦の場となっています。
 四年前は、自己紹介から始まっていたあいさつも「お久しぶりです!」から始まるあいさつになってきました。しかし、何度参加しても竹炭販売の呼び込みが苦手なため、あまり役に立てない私なのですが、「お久しぶりです!」からの会話に支えられ、いつの間にか親睦会気分で参加する『楽しみ』になってきました。
 また、参加するたびに竹細工の作品がひとつずつ我が家のインテリアとして増えていくことも楽しみの一つです。
 ホタルの会の『竹細工の匠』による竹細工体験コーナーは、竹細工にチャレンジする子ども連れで盛り上がっています。楽しそうに次々と作品を作り上げる匠たち。真剣な表情でカッターナイフを握る子どもたち。我が家のためにと張り切るお父さん。その雰囲気に影響され、私はカエルの置物を作ってみました。このカエルは今、我が家の玄関で二匹仲良く並んでいます。自作のためか、とても愛しいカエルたち。きっと竹細工に参加された家族にとっても、楽しい思い出になったと思います。来年も楽しい思い出を求め、元気に参加したいと思います。

ホタルの飼育に参加して

金曜班 三貫納(さながし) 健治

 永年勤めた会社を定年退職し、今までの仕事と違う何か変わったことをやってみたいと思っていたところ、平成ホタルの会に以前より参加していた友人の誘いで参加させてもらいました。
 生まれ育ちは飛騨の田舎なので、夏はホタルが飛び交うのは当然のことでした。ホタルの生態など全然知らず、幼虫や蛹など見たこともなく、何を餌にして成長するのか知りませんでした(大昔のことなので忘れてしまっているのかも)。
 会に参加して、班の先輩、会の先輩方に色々教えてもらい、ホタルの知識も身につき、また、例会での講師の方々の講演を聞き、環境破壊が進んでいる今、自然の大切さを実感しました。
 願いは、市街地とまでいかなくとも、大野極楽寺公園内だけでなく、近所の田畑の周辺に毎日ホタルが飛び交うことです。

「タニシに恋!?」

浅野公園班 伊藤 真志

 浅野公園にホタルを放流して今年で3年目を迎えました。
 今年も放流するにあたり、川の整備を行いながら、タニシ捕獲大作戦を実施するため、昨年タニシがいっぱいいた用水路へいきました。用水路に着いて愕然としました。
"タニシがいない!!!"
 用水路はきれいに水が抜かれ、タニシをほとんど見つけることができませんでした。
 昨年は1時間くらいでバケツ2杯がタニシでいっぱいになるほどでしたが、今年は1時間かけて探しても、バケツの10分の1も捕まえられないほど苦戦しました。
 雨が降る中2時間ほど・・・。
 これほどまでにタニシを恋しく思ったことはありません。タニシの群衆を見つけて笑顔になる自分をホタルの会に入会して発見しました。今後は浅野公園でもタニシを育ててあげることも考えていきたいです。
 平成18年5月16日に浅野小学校の6年生の子達と放流を行い、5月29日にホタルの成虫を第一発見しました。場所は昨年いっぱいホタルが飛んでいた中流箇所で1匹、さらに水がでている上流部分で1匹、対岸部分に1匹全部で3匹確認することができました。昨年放流したホタルが卵を産み、育ったと思われます。
 ホタルがちゃんと卵をうみ、育っていることに感動です!!!
 今後は、ホタルをとりまく環境整備を観察しながら、地域の人々と一緒に考えていけたらと思います。


平成18年5月16日 小雨がぱらつく中で放流

【特別寄稿】

ホタルの会で楽しかったこと

稲沢市立稲沢西小学校 6年 山田 将之
           2年    朋広


【ホタルが広げる地域環境づくりの輪】

 一宮平成ホタルの会の皆さんが育ててきたホタルが、地域の自然を大切にと活動される方々、環境保全の大切さを学ぶ子供たちの手によって広がり育っています。ホタルの飼育を通してホタルが生息できる環境作りに尽力される皆さんの熱い活動報告です。

◎よもぎ野
ありがとう御座いました

よもぎ野 景井 厚(旧矢田、庄内川をきれいにする会)

 この場をお借りしまして私共の会の名の変更をお知らせします。。以前の会より少人数での活動及び地域密着を念頭に活動したいと思い、この地域の地名にちなんで蓬来(よもぎ)に「野」加えて「よもぎ野」で新たに出発してまいります。
 私たちの会も今年で2年目を迎えて、いろいろな経験をさせていただきました。中でも幼虫の選別及び数の確認、1匹でも無駄には出来ない気持ちが強く現れて、1ケースで3時間も費やすこともしばしばあり、1匹の命の重み、1匹の光の美しさを心に刻んで作業に取り掛かって参りました。その甲斐あって2年目は1700匹近くが飛びかいました。
 そして会の目的でもあった地域のお年寄りや学区の子供たちをはじめ、地域の方々を招いてのホタル鑑賞を2週間余り行いました。その中でのお年寄りの「30年ぶり60年ぶりに見せていただいた。とてもきれいだった。本当にありがとう御座いました。」の言葉がとても印象的でした。あるご婦人は「今日で5回目なのよ・・・」また、ある子供は○○小学校何年何組○○です。質問があります。ホタルはどうして光るのですか・・・・ホタルの寿命は・・・オス・メスの区別は・・・などなど目を輝かせて矢継ぎ早に質問が飛び、こちらがたじたじになる場面になりました。そして最後に帽子を取って「ありがとう御座いました。」と大きな声であいさつをし、帰っていきました。1年間の苦労が一瞬にして吹っ飛んだような気持ちになりました。大勢の方に観にきていただき感動と懐かしさを提供できただけでもホタルの会に入ってよかったと思います。そして一人一人が自然への思いやりの大切さを学んでいただいたように感じてなりません。
 最後に「ありがとう御座いました。」の言葉に感謝し来年へ向けチャレンジを開始していきたいと思います。

◎青木川ホタル育て隊
青木川ホタル3世の舞に感動

青木川ホタル育て隊 飼育担当 佐藤 靖郎

青木川ホタルも3世となり、今年は一段と楽しませてくれました。
 4月初めから順次、庭の池と川、放流水路、飼育小屋に放流した約3,000匹の幼虫が、成虫となり、見事に光り舞ってくれました。
 今年は、春先から梅雨にかけて不順な天候で、成育が心配でしたが、その不安も消し飛び、昨年にも増してたくさんのホタルの舞を楽しむことができました。
 今年の3世の飼育では、幼虫の成長に水温の管理が大変重要であることを学びました。
 青木川ホタルは、井戸水を汲み上げて育てています。汲み出し水温は夏冷たくて、冬は温かく、年間で通し16~17℃です。我らの大師匠、前橋先生によれば、幼虫の活動が元気になるのは15℃を越えてから、上陸は20℃以上になってから、冬眠は10℃以下で、冬眠しない幼虫は上陸せず成虫にならない、等々でした。
 ホタルは、自然の生き物であり、夏は暑く、冬は寒くなければいけません。そのため水温調整をする貯水タンクを設け、井戸水の水量を調整して試行錯誤を繰り返しました。
 天候不順が原因と思われますが、今年は例年に比べ約1週間遅れで、ホタルの飛翔も6月15日頃には最盛期となりました。
 観賞会には保育園、幼稚園の園児はじめ、近隣の方々が予想以上に大勢見に来てくれました。また、今年も地元の老人介護施設2ヶ所に持ち込みました。そして「ホタル見物に遠くまで行っていたけれど、地元でこんなに身近に見られるなんてすばらしい。」と、ほめていただきました。隊員からは「頑張り甲斐があった。やりがいもあった。来年が楽しみだ。」と喜びや感激の声を聞いています。
 青木川ホタルも4世の幼虫となり、元気に成長し、動き回っています。来年は、もっとたくさんのホタルを庭の池と川・田圃の水路・飼育小屋の中で乱舞させたいと願っています。そして、初心の「ホタルの光りが、青木川の上流や下流にまで広がること」を夢見て・・・。

<観賞期間 6/10(土)~25(日)>
 ・観賞に来ていただいた皆さん   延べ1,000名以上(多すぎて数えきれなかった)
 ・観賞の案内をしていただいた隊員 延べ150名以上


保育園児による幼虫の放流 2006.4.20

鑑賞会を楽しむ親子 2006.6.12

◎萬葉公園ほたるの会
活動報告

萬葉公園ほたるの会 会長 加藤 正典

 今年3月末に、萬葉公園築込地内に、ホタル等が生息出来る公園が完成し(名称:萬葉公園築込自然園)、地元でホタル飼育の為のボランティア組織「萬葉公園ほたるの会」を発足し飼育活動を始めました。
 現在会員数は20名(別に子供会会員19名)で、全員が未経験の素人集団ですが、顧問の先生方のご指導のもとに毎日活動を続けております。
 4月初めから自然園の朝夕の散水を継続し始め、4月16日には「一宮平成ホタルの会」のご協力のもとに、幼虫約1,100匹の譲渡を受け、当日に570匹を上陸セット4箱に分けて飼育を開始し、残りを子供会会員の手で自然園の池に放流致しました。
 6月初めに、自然園の池の周辺で最初の成虫の飛行を確認後、日毎に多くなり、我々会員もその幻想的な光の点滅を見て感動し、又勇気付けられました。そして6月11日の萬葉公園顕彰会主催による「ホタル観賞の夕べ」も、近隣の方々数百人の参集が有り、お陰様で大成功に終わりました。
 又、飼育箱の幼虫570匹の内、388匹(雄207匹、雌181匹)が羽化しました。羽化率約70%で、素人集団の1年目の成果としては上出来と自画自賛しております。
 その後、産卵も終り非常に沢山の幼虫が生まれ、現在では大きな物は体長約10㎜前後に成長しております。しかし好事魔多しの例えのごとく、8月20日には大きい幼虫が多数死んでいるのが発見されました。原因は飼育箱の水温が高い(30℃以上)為との前橋先生のご指摘が有り、あと1週間発見が遅ければ全滅していたとの事で、非常にショックを受けて、生き物の飼育の怖さを再認識致しました。
 幸いにも、まだ小さい幼虫が多数生き残っており、今後は会員一同更に気を引締めて飼育活動を続けて行きたいと思っております。


4月16日の子供会会員による幼虫の放流

自然園完成時

現在

【里親便り】

「里親としての責任と楽しみ」

船橋 正暁・信子

 一宮平成ホタルの会の里親として、2年が過ぎました。
 最初200匹の幼虫を預り育て、2年目に500匹余りの幼虫を里帰りさせ、責任を果たすことで、まず一安心出来ました。
 我家に残った幼虫も無事に育ち、3年目の今年は、一段と美しい光の乱舞を楽しむことが出来ました。
 6月17日(土)午後7時30分から、北方公民館にて、北方町連区学校外活動推進委員として、畳一枚程度の蚊帳の中に、約300匹を放ち、地域の子供を中心に、100名余りの皆さんにホタル観賞してもらい、環境の大切さを訴えることが出来ました。
 また、主人の関係で、ボランティアとして介護付老人ホーム2ヶ所に出張しました。要介護の高齢者が「ほー、ほー、ホタルこい。」と歌い始められたとのことを聞き、大変うれしく思いました。
 今年の夏は、特に暑く苦労しましたが、今後とも、ホタルを通して、自然環境の大切さを、地域に、ボランティア活動にと、啓蒙していきたいと考えています。

「ライフワーク」

木曜班 長谷川 忠治

 ホタルを自宅で飼育するようになって5年目となります。当「一宮平成ホタルの会」にホタルの里親制度があり、数名の方がヘイケボタルの飼育をしています。
 昨年から今秋までの里親飼育の現状を報告いたします。
 昨夏は約5,750匹の幼虫が孵化し、秋にホタル小屋へ3,750匹を戻し、里親として2,000匹の幼虫を3月まで飼育をしました。3月には1,000匹を戻して残りの1,000匹を引き続き、上陸~羽化~産卵~孵化と順調に飼育することができました。
 この間、約200匹の成虫を5月~6月の「ホタル138~地上100mでホタルをみる夕べ」に提供し、たくさんの方々に楽しんでいただきました。
 また、新しい試みとして「木曜班」のメンバーと近所の子供さんに、10匹(雄、雌各同数)ほどの成虫を水苔と玉竜(草)を虫かごに入れて、光らなくなるまで、霧吹きと観察をしてもらいました。なお、ホタルの飼い方の注意書きを虫かごに取り付けておきました。
 戻ってきた虫かごは、霧吹きのしっかりやられているものや、少し渇き気味のものもありましたが、各虫かご毎に産卵セットをつくり産卵の状況を調べたところ、卵の数(卵の光)には差があったが、いずれも卵が確認できました。そのことを約10日間飼育してくださった子供さんに話すと、たいへん感激をしてくれました。
 会として許されるならば、来年は幼虫の誕生まで子供さんに飼育してもらいたいと思っています。(子供班会員も希望があれば試行してはいかがでしょうか。)
今年は気候不順であったが、孵化数も例年に比べ多く次の表の通りです。

孵 化 数小屋へ返した数里 親 数記   事
15,800匹13,800匹※2,000匹※1,000匹は3月まで飼育
 里親によるホタルの飼育は、9月から11月の間が餌のタニシ採りや水替えの作業等一番忙しい時期であるが、老年の域に入った私のライフワークの中でも大きなウェイトを占めており、楽しみながら続けていきたいと思っています。

"自然の中で舞うホタルをめざして"

奇数土曜班 丹羽 三五

 かつて信長が城を築いた小牧山の西を巾下川が流れる。その西を流れるのが境川。50年程前、小学校へ通うのにこの二つの川を越えた。
 小学校四年生のとき、野外授業で、すぐ近くの境川へ先生に伴られて来た。川遊びをしたり、歌をうたったりした。確か"若いおまわりさん"を歌ったのではないか。
 私は、今年の3月で定年を迎え、散歩を日課にするようになった。散歩の途中、思い出の境川のその場所へ下り立ち、川の中をのぞいた。なんと、そこにはシジミがいるではないか。
 4年前、ホタルの会から里子として我が家に来た30匹の幼虫は、ホタルの会で学んだように育てたら、今年で約300匹になった。
 近所の人や知り合い、子供会に呼びかけ、「観賞会」を開くと共に、境川へ幼虫を放流することにした。
 境川には大きな鯉が沢山いるので、鯉が入って来にくい、幼虫が上陸しやすい、浅瀬の流れが緩やかなところを選んで、6月の初めにタニシと共に、50匹程放流した。
 6月中頃に開いた「観賞会」には、約80名の人に来てもらった。アミカゴ(1m×1m×1.8m)の中で舞うホタルを喰い入るように見つめている人、初めて見た子、久しぶりに見たという人、喜んでいただいた。
 境川には時々出掛け、ホタルが飛んでいないかと確認しているが、残念ながら7月31日現在未確認である。
 今後は、「観賞会」に来ていただいた人に、ホタルを育てる仲間になってもらって、数を増やし、ホタルが昔のように自然の中で舞う姿を夢見て、引き続きガンバッテ行きたいと思っている。


旧国道155号線から境川上流を望む

【夏のホタル研修会報告】

三州ホタルを守る会を訪ねて

浅野公園班 山本 千夏

 7月8日、9日、今年も気心の知れたホタルの会の方々と三洲ホタルを守る会の深見さん(前橋先生が"足助の博士"と称される)が営まれる【料理民宿まる八】(豊田市下平)へでかけました。
 平成11年12月のホタルの会発足に向けた見学会以来、初めてのベストシーズンの研修会に、前橋先生、日置会長、船橋副会長をはじめ10名ほどが参加されました。
 午後3時到着、その後すぐに、深見さんの案内で昨夏ホタルを観察した池、今回観察する棚田を視察しました。そして夕食後は夜の観察にでかけました。観察場所へむかう途中、民家に近い川沿いや生活道脇の棚田の石垣、民家の裏から竹林へ続く土手でホタルの姿がみられ、観察場所の棚田には、手の届く高さをゆるやかな間隔を保って飛び交うヘイケホタルの群れが観棚田察できました。
 とても印象深かったのは、棚田を飛ぶホタルの光でした。これまで何回もホタル小屋の大型上陸セットでみてきたはずの眩いばかりの光が、淡く優しい光のように感じられました。
 下平では、人が少しだけ自然と折り合った人里の水と土と緑の環境の中でホタルがしっかりと生きていました。私たちの街にホタルを戻すためには、何よりもまずホタルも棲める環境づくりをしようと思う観察会でした。
 そして、もうひとつの研修会の醍醐味は、深見さんが北海道で仕留めたエゾシカのほう葉焼、近くの山の山菜、鮎の塩焼きや岩魚の骨酒等自 然の恵みを味わいながら交わされるホタル談議です。
 前橋先生や日置会長を囲んで日々の飼育作業のことから、これからの会の活動のことまで、時間を忘れてみんなで語り合うとても愉しいひとときでした。
 次回もぜひ参加したいと思います。まだ参加されていない方、ぜひどうぞ、おすすめです。


迷子のウリ坊

岩魚の骨酒

平成18年度前期(4月~9月)例会活動状況

平成18年度総会
及び臨時例会
3月26日 総会(参加者33名)、懇親会(参加者48名)
例会(参加者46名)
4月例会 4月月23日 幼虫選別、放流、竹細工の製作(参加者27名)
5月例会 5月28日 幼虫選別、放流
観察路の修理、子供班は竹の子掘り(参加者28名)
6月例会 6月25日 アメリカザリガニの駆除、竹の伐採、
子供班は竹とんぼつくり(参加者27名)
7月例会 7月23日 草刈、アメリカザリガニの駆除(参加者23名)
8月例会 8月27日 幼虫選別、ゲンジボタルとカワニナの飼育場所作り
草刈、アメリカザリガニの駆除(参加者33名)
9月例会 9月24日 幼虫選別アメリカザリガニの駆除

その他の活動状況

竹炭、竹細工販売 5月3日~5月5日
(延べ参加者70名)
06一宮リバーサイドフェスティバルにて出店
子供班 5月12日 上陸する夜の幼虫観察会
(保護者も参加)
ホタル138 5月27日
~6月25日の土日
138タワーパーク主催
ホタル観賞の夕べ 6月2日~3日
16日~17日
(延べ参加者120名)
来園者:各日300名×4日=1,200名
真清田神社ホタル観賞会 6月10日 さわやか三二会主催(観察者 約1,200名)
ホタル観賞の夕べ反省会 7月14日 慰労会(参加者31名)

平成18年度後期(10月~3月)の主な活動のお知らせ

06いちのみや秋みどりとくらし展

  ※ 日  時   平成18年10月14日(土)・15日(日)
  ※ 場  所   大野極楽寺公園
  ※ 一宮平成ホタルの会で竹細工の出展をしますので、都合がつく方は応援お願いします。

研修会

  ※ 日  時   平成18年12月9日(土)
  ※ 場  所   愛知県豊橋市:内山川ホタルを守る会
  ※ 内  容   現地視察
  ※ 参 加 費   2,000円(昼食費)

身近な環境改善活動に参加しましょう

 今年も身近な環境改善活動の一環として、下記のとおり川の清掃活動等に参加します。ご協力をお願いします。

◆ 『川と海のクリーン大作戦』・・・主催 一宮市
  ※ 日  時   平成18年10月15日(日)午前8時から1時間程度(小雨決行)
  ※ 集合場所   ツインアーチ138西側(渡橋下流側)駐車場

◆ 『大江川クリーン作戦』・・・主催 グラウンドワーク一宮実行委員会

  ※ 日  時   平成18年11月11日(土)午前9時から10時30分(小雨決行)
  ※ 集合時間   午前8時30分
  ※ 集合場所   天道公園(羽衣1丁目、和光交差点南西角)
  ※ 駐 車 場   競技場北側の競輪場駐車場をご利用ください。
  ※ 持 ち 物   掃除道具、軍手、長靴など(ゴミ袋以外は用意されません。)

新年会(予定)

  ※ 日  時   平成19年1月6日(土)午後6時から
  ※ 場  所   扇矢(市役所本庁舎東)
  ※ 参 加 費   男性:5,000円 女性:4,000円

今年のトピック


(撮影 岩田 智弘)

1.アライグマの捕獲!?
 野鳥園に度々出没する野犬の捕獲のために設置した捕獲かごに、なんとアライグマが捕まってしまっていたそうです。(野犬も捕獲できたということです。) (内藤 達也 記)

2.マムシ!?を激写
  池に設置するためのU字溝を小屋まで運び入れた後、ぶらりと池を観察していると、捕獲網にマムシらしき物体を発見!ついつい激写してしまいました。 (岩田 智弘 記)

「一宮平成ホタルの会」の事務局として

公園緑地課 整備グループ 角田 政彦

 平成16年10月に公園緑地課に配属となり、「一宮平成ホタルの会」事務局を担当してはや2年が過ぎようとしています。その間何もわからない私に対して優しく?接していただきましてありがとうございます。今ではやっと会員さんの名前と顔が一致するようになりました。(全員ではありません。)
 事務局を担当するまでは思ってもみなかったのですが、「蛍光灯、蛍光ペン、蛍の光(これは歌ですが)」など「蛍」を使ったものが、結構自分の身の回りにあることに気づきました。昔の「蛍」は、今よりももっともっと私たちの身近な存在であったのですね。
 ところで、私ホタルの幼虫を始めて見た時は「えっこれが」と正直思いました。でも、いまではそれが可愛らしく?思えるようになりました。ホタルの光を見ると本当に癒されます。不思議です。
 この蛍の光をいつまでも輝かせるために、事務局と会員(すこし若手を引き込んで)の皆様でがんばっていきましょう。

編集後記

 今年も、たくさんの皆さんに、快く記事の寄稿を引き受けていただき、会報がまとまりました。厚くお礼申しあげます。
 いつも編集会議の合間合間には、平成12(2000)年春から始まったホタルの飼育の思い出のアレコレが話題になります。
「中池(第二の池)の周りが幼虫の光で満天の星のようだった」「小屋の蚊帳の中が乱舞するホタルでいっぱいだった」「天候不順やザリガニの繁殖と思われる原因でホタルの飛翔が激減し泣きたい気持ちだった」等、いろいろです。
 今年も、そんな話題の中でホタルの数がどのように変化してきたのか知りたくなり、記録を探してみました。記録には、飼育数や放流数が混在しており、さらにどちらの数字なのか分からないものもありました。
 これからは、里親飼育も含め、放流数(春の放流数を累積)、越冬数(12月例会で確認)を確定し、記録する必要を感じた次第です。≪これも広報委員の仕事なのかナ~≫

 ちなみにアレコレ探しながら広報委員で合意(納得)しあった「放流数」は次の通りでした。

平成12(2000)年春 400匹
平成13(2001)年春 約 6,000匹
平成14(2002)年春 約34,600匹蚊帳の中が成虫でいっぱいでした。
平成15(2003)年春 約37,500匹
平成16(2004)年春 約20,000匹幼虫は発育不良で成虫が激減した。
平成17(2005)年春 約10,000匹
平成18(2006)年春 約16,800匹やっと回復するのかと期待でいっぱい。

すべて、自然の営み。ハテサテ来年は如何なりますやら。期待と不安が、ない交ぜになりますネ。
もしこのことにコメントがあれば、是非お知らせ下さい。記録に残します。
(広報委員代表 佐藤 靖郎 記)

会報編集委員
  • 佐藤 靖郎
  • 山本 千夏
  • 松原 幸男
  • 加藤 重明
  • 伊藤 勝英
  • 山田 芳久
  • 中川 しのぶ
  • 岩田 智弘
  • 伊藤 真志
一宮平成ホタルの会
会長 日置 須務

事務局 一宮市役所公園緑地課
TEL (0586)-73-9111

発行人 一宮平成ホタルの会
発行日 平成18年10月10日