一宮市立浅井北小学校
「ホタルとともに」 一宮市浅井北小学校 教諭 太田 崇
「ホタルの舞う姿を見てみたい!」これが浅井北小学校にホタル池ができた二年前の素直な気持ちです。
昨年度、5年生の担任をさせていただき、一年間ホタルと向き合ってきました。当時の6年生が、「一宮平成ホタルの会」からいただいたホタルを大切に育て、4月には数百匹のホタルを放流しました。その時、一年後に千匹のホタルの放流をしようという目標ができました。
成虫を産卵セットに入れ、生まれたホタルの幼虫は約二千匹。児童らとともに大切に育てました。 秋になると、一センチメートルほどに大きく育った幼虫がなぜか次々に死んでいきました。今も原因はわかっていません。ホタルは意外に弱い生き物だと感じさせられました。
秋も終わるころ、ホタルのエサになるタニシやカワニナがいなくなりました。ホタル池のタニシを採ってその場をしのいでいましたが、ホタル池のタニシもなかなか見つからなくなりました。浅井北小学校の周辺には、ホタルの幼虫を食べてしまうジャンボタニシがほとんどだそうで、遠くにタニシやカワニナを採りに行きました。
自分が小さいころは、タニシの他にもオタマジャクシやゲンゴロウなどがいたるところで見られました。
児童の調べによると、浅井北小学校の周辺でも数十年前にはホタルがたくさん見られたそうです。ホタルがいなくなった原因は、環境が大きく変わったからだと容易に想像できます。いろいろな生き物にとって、環境は確実に悪化したといえるでしょう。
冬を越せたホタルは千匹もいませんでした。それでもホタル放流会には七百匹ほどのホタルをホタル池に放流できました。ホタル鑑賞会ではたくさんのホタルがあちらこちらで美しく光り、時折舞い上がっては風のように漂っていました。短い命の間に懸命に光るその姿は、ただ美しいだけでなく、何かを訴えているようでした。
本年度も5年生の担任となり、ホタルとのつき合いも二年目となりました。昨年度、教師が手を出しすぎた気がします。本年度は思い切って児童に任せてみようと考えています。自分たちで育てたホタルは、よりいっそう愛着が増すとともに、いろいろなことを教えてくれると思います。
来年の春にたくさんのホタルが舞う姿を夢見て、児童はがんばってくれると期待をしています。ホタルと向き合って一年半。ホタルの舞う姿は、浅井北小学校やその周辺の地域をよりよい環境に変えていくシンボルのような気がします。
ホタルが自然に育ち、自然の中で光り輝くようになった時、この地域は美しい自然と人間が共存する最高の環境が整ったと言えるでしょう。そんな日が近い将来、来ることを強く願っています。
ホタルとともに、広がれ!!

2005年06月01日